「もちろん初めてだし、うれしい。来年も絶対に(タイトルを)獲りたい」。05年オフに中日を戦力外。ソフトバンクの入団テストを受け、プロ8年目を迎えた今季、ついに大きな花を咲かせた。138試合に出場。打率2割5分1厘ながら、26本塁打はチームトップ。正捕手の座をつかんだだけでなく、打点も80を稼いでリーグ屈指の強打捕手に成長。満面の笑みが咲くのも無理はなかった。
苦労を重ねたプロ人生を象徴するように、この日も異例の道中だった。チームは宮崎で秋季キャンプ中。午前9時30分の練習開始時にはユニホーム姿の田上秀則選手がいた。表彰選手となれば練習免除も考えられたが、田上選手は約1時間メニューをこなしてから東京へ移動。今日19日も早朝の移動便で宮崎入りし、通常通り練習に参加予定だ。「本当は今日(18日)のうちに帰ってこいと言いたいけれど、さすがにそれは無理だからな。この世界、来年は保証されていないからな」と秋山幸二監督。指揮官は来季も扇の要と期待する田上に、あえて強行日程を課していた。
もっとも、田上選手はハードスケジュールに音を上げるはずもない。「毎日少しは体を動かしておいた方がいいんですよ」。鷹を支え、リーグを代表する捕手に上り詰めた男は、“弾丸受賞ツアー”にも余裕の表情だった。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社)
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