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新人賞を受賞した攝津投手 |
球団新記録の70試合に登板した攝津正投手が新人王に輝いた。18日、東京都内でプロ野球コンベンションの表彰式に出席。遅咲きルーキーは開幕からフル稼働し、最優秀中継ぎ投手賞と合わせて「2冠」獲得となった。
27歳の新人王が、はにかみながら赤いじゅうたんを踏みしめた。ファンの黄色い歓声に包まれ、攝津投手は少しうつむいた。初めて迎えるオフ。プロ野球ならではの豪華なイベントに遅咲きルーキーは恐縮しっぱなしだったが、「1年目しかとることができない賞をとれて、本当にうれしい」と喜びをかみしめた。
ドラフト5位入団から大躍進した。高山郁夫投手コーチは振り返る。「新人自主トレでは握りが全部見える投げ方だったが、セットにして良くなった。ブルペンでは普通な感じだが、実戦になるとどうも打たれない。中継ぎ、そして後ろもやらしたら堂々とやる。これは!と思った」。オープン戦10試合に登板し、11回2/3を無失点で防御率0.00。12球団で堂々のオープン戦“新人王”の結果がシーズンの活躍を予兆していた。
JR東日本東北に所属していた1年前は、仙台駅の構内に立っていた。働き場所を変え、球団新記録の70試合に登板した。防御率は1.47、奪三振は投球回数の79回2/3を大きく上回る102。立派な数字を残した今、しみじみ思う。「自分の中で1つの区切りとして去年、ドラフトにかからなければ社会人で、と思っていた。今、考えてみればプロに入ってこういう場にいられるので、間違えてなかったかなと」。救援陣不足で昨年最下位に沈んだチームを、3位に押し上げた充実感もあった。
新人としてこれ以上ないシーズンと思われるが、足元も見つめている。今季を自己採点すると「80点くらい。(残り20点は)まだまだ細かいところですが、ムダな四死球があった」と気を引き締めた。謙虚さがある限り、攝津投手は成長を続ける。