V奪回へ電光石火の補強だ。ホークスは19日、WBC韓国代表・李机浩(イ・ボムホ)選手(27=ハンファ)の獲得を発表した。李机浩選手は韓国屈指の強打者で、今春の第2回WBCでは田中投手やダルビッシュ投手を痛打するなど日本を脅かし、三塁でベストナインを獲得。球団は今月のFA宣言を受け、1週間で契約をまとめた。韓国プロ野球通算160発を放った大砲の加入で、超重量打線を形成。李机浩選手は20日に来日し、秋季キャンプ地の宮崎で入団会見に臨む。
日本を震え上がらせた李机浩選手が、ホークスにやってきた。李机浩選手は球団を通じ「ホークスでプレーできることを光栄に思う。監督の期待に沿えるよう精いっぱい頑張りたい」と力強い抱負。来季V奪回の使者になることを誓った。韓国プロ野球からの獲得は、球団史上初めてだ。
韓国球界を代表する強打者で、06年と09年のWBCに2度出場。今年は第2ラウンドで田中投手からバックスクリーンへ本塁打を放ち、決勝でも9回裏にダルビッシュ投手から同点タイムリーを放っている。角田雅司球団代表は「日本のエース級から打つ勝負強さがある」と、8ヶ月前にみせたパフォーマンスを獲得の決め手に挙げた。関係者によれば孫オーナーもWBCでのプレーを映像でチェックし、「勝負強い!」と太鼓判を押したという。
DHには松中信彦選手が座るため、長距離を打てる助っ人補強のカギは「守備力」だった。その点で三塁でWBCの大会ベストナインに選出され、一塁も守れる李机浩選手は条件にぴったりだった。城島選手の獲得レースには敗れたが、11月の李机浩選手のFA宣言を受け、かつて韓国で臨時コーチを務めたこともある藤田編成担当らが情報収集。水面下で調査を進めてきた。「決断したのはこの1週間だった」と角田代表が振り返るように、電光石火で交渉をまとめ上げた。
今回は「メジャー経験者」という固定概念にとらわれなかった。五輪やWBCを通じ、韓国野球のレベルの高さを再認識。角田代表は「今は韓国野球の実力が上がっており、大きな市場になっている。日本の野球を知っているし、適応力もあるだろう」と、李机浩選手が短時間での日本の野球に溶け込むと判断。過去にホークスに在籍したガトームソン投手やニコースキー投手ら“OB”が韓国野球にすぐなじんだことも、日韓の野球適応に関する参考資料とした。
球団では小久保裕紀選手が来年39歳、松中選手も37歳になることから、MK砲に代わる次世代の大砲確立に迫られていた。27歳と若く、国際経験豊富な李机浩選手はうってつけの人材だ。守備もできる新助っ人の加入で、打線のパワーアップは確実。3番以降にオーティズ選手、松中選手、李机浩選手、小久保選手、長谷川勇也選手、多村仁志選手、田上秀則選手と、1発ある打者がずらりと並ぶことになりそうだ。ド迫力の重量打線が相手チームに襲いかかる。
20日に来日し、宮崎市内のホテルで秋山幸二監督らとともに入団会見に臨む。あいさつのため、秋季キャンプを張る生目の杜(もり)運動公園も訪れ、さっそく“チーム合流”することも検討中だ。WBCでは杉内俊哉投手ら日本の強敵だった男が、今度は鷹の頼もしい味方になる。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社)
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