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TVQの番組に生出演した攝津投手(左)は、来季から使用する黒のグラブを田上選手と見る |
赤から黒へ-。ホークス攝津正投手が、カラーチェンジで来季2年目のジンクスを打破する。「今までこだわってなかったけど、変えることにしました」。今季パ・リーグ新人最多記録の70試合に登板した新人王右腕は、使用していた赤色のグラブを来季から黒色に変更する考えを明かした。
単なる気分転換ではなく、ちゃんとした理由がある。「杉内さんに聞きました」と攝津投手は言う。今季15勝を挙げたエース杉内俊哉投手をはじめ、チームでは守護神の馬原孝浩投手も黒色のグラブを使用している。攝津投手は「僕は投げないけど、フォークの握りの時に(赤色だと)グラブが開くのが(打者から)分かるらしい」と、先輩投手から教わった一流ならではの知識を説明した。
赤色など膨張色のグラブの場合、フォークなどの変化球の握りをグラブの中で行う際に、陰影が動くことで打者からグラブの微妙な動きが見える場合があるという。攝津投手の持ち球にフォークはなく、直球とシンカー、スライダー、カーブが武器。それでも「少しでも分からないようにしたいんで」。今季の防御率1.47という数字に満足せず、来季は0点台を目指す右腕らしい向上心がのぞく。
念には念を入れる理由はもう1つある。チームの中継ぎ陣ではこれまで久米勇紀投手、藤岡好明投手、三瀬幸司投手らが「2年目のジンクス」にはまった。ルーキーイヤーの登板過多の影響か、翌シーズンに思うような結果を残せていない。今オフもイベントなどにひっぱりだこの攝津投手だが「疲れはないです」ときっぱり。来季は2年連続となる70試合以上の登板を目標に掲げる。これを達成すれば、58-59年の稲尾和久(西鉄)以来、51年ぶりの偉業。攝津投手が細部にこだわりぬき、鉄腕継承をしてみせる。