9回表1死三塁、オーティズ選手は適時二塁打を放つ

9回表1死三塁、オーティズ選手の適時二塁打で生還した川崎選手はベンチ前で笑顔を見せる

尻に火がついたオー様が鮮やかに天敵をKOだ。オーティズ選手が9回、昨季から3連敗中のオリックス近藤投手からダメ押しタイムリーを放った。球団がこの日、巨人、ヤクルトで本塁打王となったロベルト・ペタジーニ選手の入団を発表。強力なライバルができる中、勝負強さを見せつけた。チームは3位浮上。競争効果でさらに上位を狙う。

先輩助っ人としての意地を見せた。相手失策で1点を勝ち越した9回表。是が非でも追加点の欲しい場面で、オーティズが仕事をした。1死三塁。オリックス近藤投手が投じた初球のチェンジアップを逃さなかった。「最後の最後で失投がきたので、逃さず打った」。打球はグングン伸び、中堅フェンスに直撃。ダメ押しの走者を生還させる貴重な適時二塁打に、助っ人は真っ白い歯をこぼした。

仲間が苦しい時にこそ仕事をするのが、助っ人としての存在意義だ。この日先発の近藤投手を大の苦手とする打線は、08年からここまでに11勝を献上。昨季終盤から3連敗中で、前回対戦の3月26日にも8回1失点と抑えられていた。この日も8回までわずか2安打。「苦手とか苦手じゃないとかでなく、今日も彼がいい投球をしただけ」とオーティズ選手。相手をたたえながらも、いつか来る失投を待ち、きっちりそれを仕留めた。

ライバルの加入に、背中を押された。球団はこの日、巨人などで活躍した左の大砲・ペタジーニ選手の入団を発表。これによりオーティズ選手も、必然的に李ボム浩選手らと1軍外国人枠争いに組み込まれる形になった。昨季途中加入し20本塁打、今季もチームトップの5本塁打を放っている助っ人も、心中は穏やかでないはず。それでも「競争とかではなくて、彼が加入することでチームが強くなればいい」。常にチームの勝利を第一に考える姿勢で、3位浮上を喜んだ。

外野と三塁を守ることができ、長打力もあるオーティズ選手がレギュラーを外される可能性は低い。それでもペタジーニ選手加入よる外国人枠争い、主軸争いは激化する。「ペタ加入効果」が、オーティズ選手のハートに火をつけたことは確かだ。