今年のリーグ優勝祝勝会ではビールかけは行われず、大きなくす玉を割って喜びを分かち合いました。
会場には孫正義オーナーや王貞治球団会長も駆けつけました。オープニングアクトとして、今シーズンずっとPayPayドームの外野席でチームにパワーを送って、そしてスタンドを盛り上げてくれたロボット応援団の「ペッパー」と「Spot」たちによる「いざゆけ若鷹軍団」のダンス披露が行われました。
グラウンドでの優勝セレモニーが終わると、PayPayドーム内のプレスカンファレンスルームにてオンラインでのパ・リーグ優勝共同会見が行われました。臨んだのは工藤公康監督、中村晃選手会長、東浜巨投手でした。喜びの声を、一問一答にて。
――リーグ優勝を決めた気持ちは?
「選手たちが良くやってくれました。自分でもガッツポーズをするくらいの感情でしたし、今年は何が何でも勝ちたいと思っていた。嬉しいのとほっとした気持ちがありました」
――昨年まで2年続けて優勝を逃した気持ちもこみあげてきたのでは?
「首位に立ちながら逆転で負けたことが頭からなかなか離れることがありませんでした。今シーズンも千葉ロッテさんとゲーム差なしとなりましたが、そこから選手たちが100パーセントの力を出して、引き離してくれた。選手たちが頼もしく見えたし、今年のコロナ禍の状況の中で、最後の最後に死力を尽くして戦ってくれた選手たちに感謝の気持ちでいっぱいです」
――難しいシーズン。どんなことに気を配りましたか?
「一番考えたのが、しっかりした準備でした。ただ、その中でも100パーセントの状態で開幕を迎えるのは難しいと思った。なのでトレーナーやコーチともミーティングをして、何がベストなのか、常に話をしながらやってきました。その結果、大きなけが人も少なく、難しいシーズンを乗り切ることができたと思います」
――同一カード6連戦や毎週6試合などハードな日程でした。
「私としても初めての事なので、なるべくコーチと話をして、グラウンドでは選手の状態を聞いて、ケガ人がでないようにコンディショニングに気をつけてやってきました」
――今季の戦いの手応えを得たのは?
「10月にゲーム差がなくなった時でも、ベンチで元気にしっかり声を出してやっているのを見た時に、安心したのと、頼もしくなったなと感じました。選手はみんな気持ちや気合が入っていたと思います。だけど、その中でも平常心で自分たちの野球をやっていました。それを見たときに、これで行けるかなと感じました」
――今年の強さの要因は?
「一番はチームとして一つになって勝つことを目指した結果。2年連続でリーグ優勝を逃した中で、選手も自然と気合が入って、12連勝という形になった。僕らが何か言わなくても、選手自身が自分のやるべきことをしっかりやってくれたと思います」
――投手陣について。チーム防御率は2点台です。
「本当に、もっと褒めていただきたいくらいです。先発も中継ぎも本当によくやってくれた。投手がしっかり抑えることが勝利に近づくと、つくづく感じたシーズンでした」
――横に座る東浜投手も開幕を務めて、よく投げました
「彼の野球にかける情熱、そして探求心。自主トレのうちからでも上を目指すという姿を見て開幕投手にしたいと思いました。そして、シーズンでもしっかり自分の責任を果たしてくれた。開幕で投げたという責任感を優勝するまで保ち続け、高いモチベーションでシーズンを過ごしてくれたと思います」
――一方の攻撃陣では、100通り以上の打順も組みました。
「これはですね、打撃コーチの皆さんと話をして、そしてトレーナーの皆さんとも話をして選手の状況を把握した中で総合的に判断をして決めていきました。選手たちは一定した打順でない中でも自分たちの仕事をしてくれたと思います」
――その中で1番に定着した周東選手の役割が光りました。
「彼の足がチームの勢いになったのは間違いない。そして2番の中村君が盗塁をするまで我慢をしてくれたり、その中でタイムリーやつなぎのバッティングをしてくれたのが大きかった」
――ファンの皆さんへ
「ここまで応援ありがとうございます。ただ、我々は日本一を目指しているチームです。残りもしっかりと戦い、また良い報告をできるように頑張ります」
――今の気持ちは?
「ゲーム差がなくなった時もあったし、どのチームも強かった。とりあえずホッとしました」
――選手会長として初めて臨んだシーズンでした。
「プレーに関しては選手個々がしっかりやってくれたので、僕はやりやすい環境をなるべく作れればと思ってみんなと話をしました」
――ホークスの強さの理由は?
「ピッチャーが素晴らしかったです。守りからリズムを作る野球が良かったと思います」
――野手では若手の台頭もありました。
「周東もそうだし、栗原も。栗原とは一緒に自主トレもやったので、彼の活躍が僕に刺激を与えてくれました」
――中村選手個人としては?
「開幕に間に合わなかったのは個人的に反省。その中で一軍に復帰してプレーができた。リハビリのトレーナーさん、二,三軍のスタッフのおかげです。皆さんに感謝したい」
――シーズン序盤には4番も打ちました。
「高校以来でしたね。最初はちょっと大丈夫かなと思ったけど、なんとかこなせたのかなと思します。チームも勝ったし良かった」
――1000安打達成もありました。
「順調にきた部分とそうでない部分あったけど、これからもチームの勝利に貢献できるヒットをたくさん打っていきたいです」
――9月に急逝された川村さんへの思いも背負って戦ってきたと思います。
「明るい方だったし、亡くなった時にはロッカーで、みんなで泣きました。信じられなかった。でも、川村さんが望むのは、僕らが前を向いて元気にプレーすることだと思いました。あれからまた、チームは一つになったかなと思います」
――ファンの皆さんへ
「まだまだ戦いは続きますので、4年連続日本一になれるように、またチーム一丸となってやっていきたい」
――今の気持ちは?
「正直、いつ開幕するか分からない中でスタートした今シーズン。どうなるんだろうと思って過ごしてきました。その中で最後に優勝ができてホッとしています」
――開幕投手を務めました。
「本来なら3月開幕で、一度そこに向けて体も心も作りました。延期で6月となりましたが、春に一旦開幕を告げられたことで、自粛期間中も高いモチベーションで過ごすこと出来ました。特別な一年になったと思います」
――現在6連勝中とシーズン終盤に好調です。
「開幕から毎試合毎試合、チームが勝つことを最優先に考えて投げてきました。上手くいかない時期もありましたが、そこを耐えた経験が今生きていると思います」
――頼もしいリリーフ陣もいましたね。
「リリーフの方たちには助けてもらいっ放しです。頼もしくもあり、自分自身情けなくもあります。ただ、少しでもラクさせたいと思って投げたのも良かった僕自身にとって良かったと思うし、先発もリリーフもみんなが自分の役割を全うしようと思ってやったのがよかった」
――野手については?
「僕が投げる時も点をとってくださったし、記録に残らないようなプレーや守備でも助けてくれました」
――ファンの皆さんへ
「クライマックスシリーズや日本シリーズとまたまだ続く。4年連続日本一になれるように頑張ります」
歓喜のフィナーレ。優勝を決めたウイニングボールは、ゴロをさばいた周東佑京選手ががっちりと掴んで、二塁ベースを踏んで最後のアウトをとりました。
胴上げはありませんでしたが、チーム一丸を表すようにマウンドを中心に輪を作り、全員で喜びを分かち合いました。そして中村晃選手会長が音頭をとって万歳三唱が行われました。
そして、優勝監督インタビューでの工藤監督がお立ち台に上がりました。
10月27日(火)、ホークスの3年ぶり21回目(2リーグ制以降は19回目)のペナントレース優勝が決定しました。
マジックナンバー「2」で迎えたこの日、ホークスは本拠地PayPayドームで千葉ロッテと対戦。5対1で勝利し、悲願だったパ・リーグ制覇が決定しました。
この2020年は「特別なシーズン」となりました。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、プロ野球の開幕も再三延期となりました。その苦難の中で、医療従事者の皆様をはじめ多くの方々が日常を取り戻すべく最前線に立ち続けたことで、6月19日にプロ野球は開幕を迎えました。
今年の「鷹の祭典」では決意と感謝の気持ちを込めた「S15イエロー2020」と名付けたシンボルカラーを採用。「S15イエロー2020」のほかに袖やキャップにはブルーを使用しました。
120試合制と例年よりも短くなった中で、接戦となったペナントレース。それでもホークスは8月22日からは優勝のゴールテープまで首位を守り続けました。10月9日時点では2位だった千葉ロッテにゲーム差0の勝率1厘差まで迫られましたが、翌日の10月10日から一気の大型連勝。10月23日まで工藤監督就任後では最長となる12連勝を飾り、一気にリーグ優勝に近づきました。
「S15(サァイコー!)」のスローガンのもとで戦う2020年のシーズン。チームとファンが一丸となって掴み取ったパ・リーグ優勝ですが、戦いはまだまだ続きます。11月14日(土)からは4年連続日本一を目指して、まずは「2020 パーソル クライマックスシリーズ パ」(全試合PayPayドームで開催)に臨みます。