東浜巨投手が5月11日(水)の埼玉西武ライオンズ7回戦(PayPayドーム)でノーヒットノーランを達成しました。
最終回のドームは異様な空気に包まれていました。1球ごとに拍手が大きくなる中でも、東浜投手は淡々と投げ続けていました。九回表は柘植選手を空振り三振、愛斗選手を一邪飛で2アウト。そして最後の打者の金子選手を二ゴロに仕留めました。球数は97球。快挙達成の瞬間、東浜投手は満面の笑みを浮かべ、両手を突き上げて喜びを表しました。
ノーノー達成はプロ野球史上84人目・95度目(完全試合も含む)。ホークスでは2019年9月6日の千葉ロッテマリーンズ戦で記録した千賀滉大投手以来、球団3人目となりました。
許した走者は二回、五回の四球の2人のみ。いずれも後続の打者をゲッツーで仕留めたため、打者27人斬りも達成しました。
以下、試合直後に行われた記者会見の一問一答です。
「ありがとうございます」
「まだ興奮してるというか、信じれられない気持ちが一番です」
「なかなかできないこと。喜ばしいことだと思います」
「ノーヒットだなと思ったのは七回くらい。でもあまり意識はしなかった。本当に意識したのは最終回だけでした」
「みんながいつも話しかけてくれるのにそれが全然なくて(笑)。気を遣ってくれてるんだろうなと思いました。逆に異様な雰囲気でした」
「ここまで来たら打たれてもいいから、ゾーンに投げて自分のピッチングを貫こうと思ってました」
「しっかりストライクゾーンで勝負できた。フォアボールを2つ出したけどゲッツーが2つ。そういう要素も重なったと思いますし、すべてが良い様に働きました」
「追い込むまで三振は狙っていませんでした。2ストライクになって、どうしようとしか考えていない。あまり三振は狙ってないですね」
「一番は、常にコミュニケーションをとって、試合の中でも話しながらやっている(甲斐)拓也のリードが僕の中では大きい。ずっと拓也とは組んでいますし、良い時も悪い時のどちらも経験している。拓也ととったノーヒットノーランだと思います。今日も話し合いながら、時には我も通しながら、そういう駆け引きもしながら、うまくコミュニケーションをとれた。それが一番の大きかったです」
「はい。イニング間は先頭打者に対してどう入っていくかという、いつも通りでした」
「狙ってできるものではないし、野球人生の中でもそうできることじゃない。それをプロ野球の世界でできたのは今後の自信になる。もっと上に行きたい向上心もあるので、嬉しいです」
「中学の時に1回している記憶があります。高校や大学でも未遂はあるけど、なかなかできずに『やっぱり難しいものだ』と思っていた。まさか、今日できるとは」
「昔なんで覚えてなくて。でも、また違った特別感があります」
「そこから僕自身も乗っていけた。いい流れでも投げられたので感謝しています」
「自然と体が反応してくれた。僕が捕れなくても、セカンドが捕ってくれたでしょうけど、自然と反応しました」
「最後は三振を取りに行こうと色気を出した(苦笑)。それが良くないと思って、途中から自分のボールを投げました」
「自分が捕れると思ったらスルーしてしまったので、『うわ、やっちゃった』と。でも、三森(大貴)が思ったよりも前にいたので、ギリギリかなと思いました。アウトになってくれと。あんまりソワソワしながら(味方の守備を)見ることはないけど、さすがにソワソワしました」
「おめでとうとか、やりましたねとか。でも、僕としては『やっちゃった』だったので、何が何だか分からなかった」
「いつもウイニングボールは人にあげているけど、今日のボールには日付とサインを入れて家に飾りたい」
「試合前にウエイトルームでみんなで見ていて。たしか五回まで50球くらいで投げてたんです。いろんな人から『オマエも今日これくらいで頑張れよ』と声を掛けられました。でも、全然意識はしてなかった。偶然ですね」
「今日は今日で終わったこと。ここからまた次の登板へ調整しないといけない。次も西武さんと対戦する可能性がある。今日を次に生かさないと。しっかり準備をしたい」
「本当に1球1球。特に終盤の歓声や拍手、どよめき。僕らも楽しみながらできていました。今まで経験したことのない興奮というか高揚感の中で投げることができました。これから先もまだまだ続くので、これからも足を運んで応援してほしいです」
「ここ最近は毎年のように沖縄で試合が組まれていて、今年はこのままいけば投げさせていただけるローテになります。沖縄は野球熱が高いですし、出身選手も多くなりました。生でプロ野球のプレーを見る機会は、自分が小中学生の頃はキャンプしかなかった。公式戦が見られる環境はありがたい。その中で試合ができる。そして、投げられるのは本当に楽しみ。次もいい投球、いい試合を子どもたちへ見せられるよう、そのための準備をしたいです」