
ヒーローインタビュー

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【5月5日(月・祝) ホークス3-2ファイターズ ヤフオクドーム】
屈強な男たちがしのぎを削り合うプロ野球の世界。しかし、たとえ小柄でも、勝負に勝つことはできる――。こどもの日に行われた一戦、森福允彦投手の熱い投球にそんなメッセージが込められているように見えた。
1点を争う好ゲームの中、勝負の分かれ目は5回表でした。先発の大場翔太投手が踏ん張ってきたものの同点に追いつかれ、なおも2死満塁とピンチが広がって降板。この場面を託されたのが森福投手でした。
「準備はしっかりできていました」
左打者の西川選手を2球で追い込むと、「これが大きかった」と有利に立ち、最後は133キロのストレートで見逃し三振。「自分らしく強気で攻めました。ヒーローになるんだと思って投げました」と気迫あふれるマウンドを見せました。6回も続投し、最初の打者の中田選手には左翼ポール際に特大打球を打たれましたが、それでも真っ向勝負。1死二塁からは連続三振でピンチを切り抜けると、その裏に長谷川勇也選手が勝ち越しタイムリー二塁打を放って、森福投手に今季1勝目の白星が転がり込んできました。
この日が今季31試合目で13試合目の登板。昨年までは試合終盤の出番がほとんどでしたが、今季は登板のタイミングがばらばらで「正直難しさはある」と言います。それでも「中継ぎをやるからにはホールド王を獲りたいとか個人の気持ちはあります。でも、一軍で投げるために、やらなければいけないことがあるし、何よりチームが優勝するために僕は投げたいんです」と胸の内を明かしました。
「体が小さいからプロになれないと思ったことはない。諦めずになった結果が、今だと思います。小さな体でもプロで出来るんだということを、特に子どもたちには見てもらいたいし、感じてもらいたいんです」
これは森福投手がプロ入り後からずっと口にしてきた言葉です。5月5日、ヒーローになった森福投手の姿は、たくさんのちびっこファンの心に残ってくれるはずです。
2014年5月6日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)
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