
ヒーローインタビュー

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【5月21日(水) ホークス2-1カープ ヤフオクドーム】
溢れだしそうな感情を抑えるように、お立ち台では平静を装っているように見えました。今季44試合目で初めてスタメンのチャンスが巡ってきた明石健志選手が3打数3安打、1得点、1四球、1盗塁。1番打者として出塁率10割は最高の活躍。そして、すべてが価値ある出塁でした。
最も緊張する初回の第1打席は冷静にボールを見極めてフォアボール。「ここまで打席数は少なかったけど、ボールは見えていました」。続く第2打席はチーム初安打となる中前打。そして6回裏は、先頭でセンターオーバーのスリーベース。2番・今宮健太選手のタイムリーで先制のホームを踏みました。
そして同点に追いつかれた直後の8回裏、ヒットで出塁した中村晃選手の代走・城所龍磨選手を一塁に置いて打席へ。送りバントも考えられた場面ですが、プロ11年目の同級生コンビにベンチは違う作戦を託しました。簡単に2球で2ストライクとなりましたが、「キド(城所選手)が走ることを想定して打ちに行きませんでした。二塁に行けば、送りバントだったと思います」と明石選手は説明。結果的に追い込まれたために、考えを切り替えてゴロを転がすことに。3球目、食らいつくようにバットに当てると打球は三遊間を抜けていき、城所選手は判断よく三塁まで到達。一気に無死一、三塁とチャンスを広げると、再度今宮選手がタイムリーを放ってこれが決勝点となりました。
「エンジョイしました。楽しかったです」と充実感たっぷりの表情で汗を拭った明石選手。
「気持ちが落ちかけたとき?あまりなかったですね。以前の僕ならありました。でも、練習の中からでも充実感を得るようにしていたし、嫁さんの存在も大きかったですね。励ましてくれたこともあったりしたけど、敢えて何も言わずにいてくれたりもした。その気持ちに応えたいとは思っていました」
明石選手の活躍はこれまで出番の少なかった選手たちへの大きな発奮材料になります。また、スタメンを外れた本多雄一選手はもちろん、これまでレギュラーを守ってきた選手たちにとっても背筋がピンと張るような刺激となったこの一戦。今シーズンの残り100試合にもつながる、大きな1勝となるでしょう。
2014年5月22日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)
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