
ヤフオクドームのプレスカンファレンスルームにて優勝共同会見が行われ、工藤公康監督、内川聖一キャプテン、松田宣浩選手会長、サファテ投手の4名が出席しました。
■工藤監督
――いまの心境はいかがですか?
「本当にホッとしていますし、まだここで終わりではないんだなということは当然、分かっていますが、この一瞬というのは、監督1年目ですが、みんなが本当に頑張ってくれたおかげで、僕が宙を舞うことができました。選手だけでなく、選手を支えてくれた裏方さんや球団の方だったり、そして、やはり一番力になったのはファンの方たちなので、すべての方に感謝したい気持ちです」
――リーグ連覇、連続日本一という大きな期待がかかるチームを引き受けられました。正直、プレッシャーもあったのでは?
「(シーズンが)始まる前はプレッシャーもあったんですが、選手がキャンプで練習する姿を見て、こんなにも練習するのかと、驚くくらい、選手がしっかりやってくれていました。それは前監督の秋山(幸二)監督がそういうチームをつくっていったんだなと。僕は日本一になったチームを、またさらに常勝チームにできるように、お力沿いできればいいなという思いでいました。シーズンを通して、大きな怪我もなく、選手たちは元気に、楽しく、そしてグラウンド中では真剣にプレーしてくれた結果が、リーグ優勝につながったと思います」
――これまでにないポジションや打順で選手を起用し、監督の期待に応えてくれたと思うが?
「選手の中には、不安に感じる方もいたと思いますが、よく期待に応えてくれたと思います」
――これから向かう短期決戦は、王貞治球団会長も「まったく別の世界だ」とおっしゃっていましたが、どんな戦いを見せてくれますか?
「うちのチームの戦い方は変わらないと思いますし、選手たちがシーズンと変わらないように、ベンチから元気で大きな声を出し、選手を送り、帰ってくる選手を出迎え、そして、チーム全体で常につなぐ野球を心掛けて、絶対に勝つという気持ちだけは負けないようにやっていきたいです」
――連続日本一、約束はしていただけますか?
「はい。きっと選手たちはやってくれると思いますので、僕は少しでもその力になれるよう頑張ります」
■内川キャプテン
――試合終了前に流した涙はまさに心境を物語っていたと思いますが?
「まだ試合が終わっていなかったので、我慢しなければいけないと思っていたのですが、シーズン中にいろいろなことを感じたり、いろいろなことも考えましたし。でも、最後までやり通せた安心感もありました。昨年、日本一になっていましたので、そのチームのキャプテンにと監督から言われたことによって、さらに頑張らなければという思いもありました。チームとして優勝できたことは本当にホッとしました」
――監督インタビューの中で、「内川選手一人に背負い込ませてしまった」との言葉がありました。さらに「CS、日本一へ頑張るぞ」という言葉もありました。うれしかったのでは?
「はい、うれしかったですね。『キャプテンをやってくれ』という話をしていただいてから、自分なりにどうするべきなのかと、考えてきましたし、なかなか自分の中で答えがでないまま、やっていた時期もありました。ですが、監督から、『おまえのチームだと思ってやってくれ』と。『おまえのやりたいようにやってくれればいいから』という言葉を掛けてもらって、自分でもふっきれた部分もありましたし、本当に松田選手会長をはじめ、みんなが頑張ってくれたおかげで、僕も最後までやり通せたかなと思います」
――チームの変化は感じられましたか?
「負けていても元気だったというのは、誰が見ても感じる部分だと思いますし、常にやるんだという気持ちがチーム全体に溢れていたと思います。大きな連敗もなかったですし、絶対にここで踏みとどまろうという試合は、きっちり勝ててこられたのは、チームとしてすごかったです」
――このあと、CSと日本一が迫っています。どういう戦いを見せてくれますか?
「2月1日にユニホームを着て全員で集まったときから、チームとして日本一を目指してやるということを監督からも言ってもらっていましたので、今日の優勝はうれしいですが、まだ通過点だと思っています。喜べるのは今日までだと思っていますし、また明日から次の戦いに向けて頑張りたいと思います」
■松田選手会長
――チームを、ファンを、ここまで熱くしましたね
「今年はスローガンが良かったなと思います(笑)。工藤監督のもと、“熱男”というスローガンが良く、球団に本当に感謝したいと思います」
――松田選手が始めたパフォーマンスがチームを巻き込み、チームを明るくし、ファンまで巻き込んだ印象があるのですが?
「個人的に、どう周りの人が感じてくれたのかなと思いましたが、2月1日にユニホームを着たときに、工藤監督を胴上げしよう、とチーム全員で決めましたから、そのために今日まできついことがありましたが、みんなで乗り切ってこられたので、リーグ優勝はうれしいし、自信になりました」
――今日のホームランが象徴するように、今シーズンの松田選手は打ってほしいところ、サヨナラの場面でヒット、ホームランが多かったですが、自身のシーズンを振り返ってどうですか?
「怪我がなく、ここまで休まず、フルインニング出られるということが一番でしたし、それが一番大きかったと思うし、チームの優勝に貢献できた一番の要素だと思います。これからもけがをせずに、持ち味の元気を前面に出して、工藤監督を日本一の男にするためにもう少し頑張ります」
――CS、日本シリーズへ向けてどんな戦いになると思いますか?
「短期決戦なんで、どう転ぶか分かりませんが、ホークスらしい野球をすれば、絶対に勝ち抜けるという自信もありますから、その思いをもってCS、日本シリーズを戦って、今年も日本一を全員でつかみ取りにいきたいと思います」
■サファテ投手
――優勝決定の瞬間にマウンドにいた気持ちは?
「最高の気分でしたし、2年連続で最後のアウトを自分が取れて良かったです。これがまだ最初のステップだと思っていますし、これからまたしっかり頑張っていきたいと思います」
――シーズンを通して、“失敗のしないストッパー”として投げ続けたが、どんなシーズンでしたか?
「チームメイトなしではできなかったと思います。攻撃陣は12球団で一番ですし、先発ピッチャーもすばらしいですし、中継ぎや他のピッチャーもすばらしいので、チームメイトといい化学変化が起き、自分の成功につながったと思います。あとは、みんなから信頼されていると、自分が思えることが成功の要因だと思います」
――今年、打ち立てた記録(43イニング連続奪三振)については?
「皆さん(報道陣)に言われるまで、まったく知らなかった記録ですし、それは自分の記録というよりも、いつもリードしてくれている細川(亨)、高谷(裕亮)、鶴岡(慎也)、細山田(武史)というキャッチャー陣が研究して、リードしてくれているので、キャッチャーと自分とでつくった記録だと思います」
――CS、日本シリーズに向けてどんな準備をしますか?
「シーズン中と同じ戦い方で、あとは相手が自分たちを倒しに来ると思うので、それを迎え撃つという気持ちでやっていければ大丈夫だと思います」