


これぞ千両役者だ。オープン戦ながら38,500人の満員御礼に膨れ上がったスタンドを、最も沸かせたのは柳田悠岐選手でした。
第1打席で「あこがれの存在」というカープ先発の黒田投手のストレートをとらえ、左中間スタンドへライナーで運ぶオープン戦4号の先制2ランを放ちました。「間を抜けるとは思いましたけど、あんなに飛ぶとは思いませんでした」と本人も驚く一発。「黒田さんはオーラがあったし、大きく見えました。打てたのはすごく嬉しかった」と笑顔も見せました。
第2打席ではまたも黒田投手から一塁強襲の強烈な打球を放ち、これがタイムリー。
そして第3打席では小野投手のストレートをフルスイングで振り抜くと、またしても左翼スタンドへ飛び込む3ラン本塁打を放ちました。
3安打うち2本塁打、計6打点の大活躍です。
これでオープン戦は5発、14打点。いずれも12球団1位の成績で、二冠王に立ちました。
前日19日(土)からはついにセンターの守備にも就いています。「今まで投げられずにストレスを感じていましたが、それがなくなったことはプラスになっていると思います」と柳田選手。また、工藤公康監督も「打って、守ってというのが彼のリズム。それを再認識しました」と話しました。2試合続けて守備につけたのは好材料。工藤監督は「21日のマツダスタジアムでも守って、状態を見たい。外の球場だし、(開幕戦の)仙台とも似た球場だから」と、今後の方針についても話しました。
本拠地ヤフオクドームでのオープン戦は全戦終了。残るは21日(月・祝)のカープ戦(マツダスタジアム)のみ。ペナント開幕に向けた最終チェックの試合となります。
2016年3月21日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)
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