


【8月24日(水) ホークス5-0イーグルス ヤフオクドーム】
<今日の熱男=江川智晃選手 昇格即1号決勝アーチ!>
まさに救世主。この日ファームから1軍に上がったばかりの長距離砲が、チームに勢い、勇気をもたらしてくれました。
プロ12年目の江川智晃選手。ファームでは11本塁打を放ち、現在ウエスタン・リーグ1位タイのパワーを発揮しました。昇格即スタメンの「7番レフト」で出場。両チームとも無得点のまま迎えたラッキーセブンの攻撃、江川選手この日の第3打席でした。
「一番速い球に合わせて思いっきり振ろう。いつも通りに」
カウント2ボール0ストライク。外角のボールに上手く反応しました。「完璧でした」。右中間方向へ飛ぶ打球を見ながら早くも右手でガッツポーズを作っていました。
今季1号は均衡を破る先制ホームラン。沈滞していたムードをすべて振り払う会心の一発。ホークスのダグアウトも、ヤフオクドームのスタンドも、とてつもない盛り上がり様でした。
「昨日まで2軍。お立ち台に立っているなんて、まさかです。筑後のアツい中でずっとやっていたので、見ての通り顔は真っ黒です。でも頑張ってきて本当に良かったと思います」
常に準備を欠かさず、若手に負けないくらいの練習を行ってきました。
「(気持ちを)腐らせてしまったら悪い見本になってしまう。それだけはしないようにしてた」
この日、2軍戦は昨季まで本拠地だった雁の巣球場で年に1度きりのゲームに臨んでいました。思い出いっぱいの球場だけに、「雁の巣にも行きたかったなぁ」と試合前には冗談も飛ばしていましたが、「僕は波が激しい方だけど、いいプレーを続けていきたい」とこれからの活躍も誓っていました。
江川選手の一発でがらりとチームの士気が上がり、この回には中村晃選手のタイムリーで追加点。8回には松田宣浩選手がダメ押しの22号3ランを放ちました。先発の中田賢一投手は走者を背負いながらも7回2安打無失点と粘り切り、リリーフ陣もゼロでつなぐ完封リレー。ホークスのこれからにつながる、大きな、大きな白星を手にしました。
工藤監督の熱男トーク
――江川選手が昇格即の大仕事でした。
「よく打ってくれました。ファームで状態がいいと聞いていた。1打席目のレフトフライの感じが良く、相手投手はプレッシャーを感じていたのでは。それが次の打席のフォアボール、そして3打席目の本塁打につながったと思う。1つの凡打でも相手にプレッシャーを与えられる。それを改めて感じた」
――打線もつながった。
「江川選手のホームランの前に吉村選手が粘った(10球目を二ゴロ)のもつながったと思う。チームみんなで1人の投手を攻略しようという思いが見えた。あのようなつながりさえ取り戻せば、今までのようなチームに戻る。明日以降の試合に期待したい」