2025/02/27 (木)
選手

タマスタ筑後 3軍開幕戦 レポート

こんにちは。春季キャンプはA組が手締めを行い、オープン戦も始まっています。筑後ではこれまで2月中に試合が行われることはありませんでしたが、今春は例年より一足早い“開幕”です。3、4軍はすべてが非公式戦ですので、ある意味1、2軍よりも早く“開幕戦”を迎えました。

朝は薄っすら雪が積もるような寒さでしたが、2月24日は祝日ということもあり、多くのファンの方にご来場いただきました。昨年の社会人野球日本選手権でベスト8入りした強豪「西部ガス」との対戦です。

試合前練習の集合時には、斉藤和巳3軍監督が選手たちに熱い訓示を行い、「調整より成長」という言葉をかけました。「今までやってきたことをどう出せるか」というところで、それぞれに自身の成長を求めました。監督の言葉でも引き締まり、いつも以上にウォーミングアップから元気な声が響きました。

そして、ホークス3軍の“開幕投手”を任されたのは、育成2年目の長水啓眞投手でした。

育成同期の藤原大翔投手がB組入りし、A組紅白戦でもアピール。仲の良い同期に先を行かれたことが悔しかったそうです。先日、斉藤3軍監督に呼ばれ、そのことについて話をされ、「頑張れよ」と励まされたそうです。さまざまな悔しさも胸に、まっさらなマウンドへ。

結果は、2回1安打無失点。唯一許した走者も牽制でアウトにする冷静さも見事でした。長水投手は「楽しかった。2イニングと決まっていたので全球全力でいきました」と笑顔を見せました。その好投に斉藤3軍監督も「気合いが入っていたでしょう。取り組む姿勢もさらに良くなったし、ずっと声を出して元気にやってくれるので貴重な存在です」と讃えました。長水投手は「次もビシャビシャいきます」と威勢よく語ってくれました。

試合は3回に先制を許しましたが、4回には山本恵大選手が反撃の狼煙を上げる本塁打を放ちました。昨年苦しめられ、課題としてきたインコース高めの直球を見事に一発で仕留めました。「やってきたことが本塁打という形で結果になって良かった」と安堵しました。

本塁打を放ち、ダイヤモンドを一周してベンチに戻ると、ハイタッチで迎えられました。すると、ニヤニヤしたマルコ・シモン選手とデービッド・アルモンテ選手が中継カメラの前で山本選手を待ち構えていました。一緒になって何やら可愛いポーズ!これは一体・・・?

山本選手が最近、シモン選手に教えた「かわいいだけじゃだめですか?」(CUTIE STREET)のポーズをシモン選手が「あれをやろう」と言ってきたそうです。改めて、見せてもらいました。

プロ野球選手なので“かわいいだけじゃだめ”ですが(笑)、野球の能力も人間としてもたくさんの魅力を持っている彼らなので、今年は今まで以上にかわいいだけじゃない一面を発揮して活躍してくれるはず。期待しています!

そして、“開幕4番”に座ったのは佐倉侠史朗選手。第2打席に今季初安打を放ちました。佐倉選手、打席に立っている時の表情が何とも幸せそうでした。

「久し振りの試合で楽しかったから、自然と笑顔になっていたのかな」と佐倉選手。試合を通してもずっと大きな声が出ていました。「去年は『エラーした後こそ声を出せ』と言われながらも落ち込んでしまっていたけど、今年は1年目の後輩も守っていたので、中澤(恒貴)としっかり声出して盛り上げていこうと話していました」と一皮むけて先輩になっていました。また、「自分はあまりいい走塁をすることがなかったから」と好走塁で本塁生還した際は、雄叫びを上げて喜びました。

チームに欠かせない存在ですね。

中澤恒貴選手は3安打の活躍!筑後スタートの悔しさを秘めて黙々と練習してきた成果をすぐに結果で見せました。斉藤3軍監督は「右方向に2本続いたので、今年も右方向しかないのかと思ったら、3本目は引っ張った。『今年はそっちにも打ちます。それが僕の課題なので』って言ったんですよ。ちゃんと自分が何をしなきゃいけないのか分かっている子なんです」と讃えていました。

新人の石見颯真選手はプロ入り後初めての試合で初安打に初盗塁。内野も外野も守り、躍動しました。斉藤3軍監督が「彼にはキャンプ通じてビックリさせられることが多い」と想像を超える18歳の能力に驚いていました。「筑後にいる新人の中で1番にヒットを打ちたかったので、それが達成できて良かった」と安堵の笑み。緊張しながらも持っている力を見事に発揮した末恐ろしいルーキーです。

石見選手と中澤選手は、この後宮崎に合流。石見選手は吉報を受けた時、「パニくって反応できませんでした」と頭を掻きました。初々しいですね。

4番手で登板した星野恒太朗投手は、1回安打無失点と好投。実は、斉藤3軍監督が「キャンプでもあまり状態が上がらなくて心配していたんです。でも、こちらの予想を上回る内容でしたね。ある意味、今日1番ホッとしたところかも。自信に変えて欲しい」と目尻を下げました。当の星野投手は、「だからか!抑えてベンチに戻ったら、監督に頭を撫でられたので。そんな心配されていたなんて」と照れくさそうでした。

そして、この試合で最もインパクトを与えたのが育成2年目の藤原大翔投手でした。先述の通り、A組紅白戦でも衝撃を与えた右腕は、B組からの参加で登板し、2回2安打無失点。最速151キロの威力ある直球を投げ込むと、相手ベンチもスタンドからもどよめきが。

斉藤3軍監督も「ちょっと大人になって帰ってきたな。貫禄見せたところがちょっと腹立つけど」といたずらに笑いつつも、目を見張る成長をベンチでも嬉しそうに見つめていました。宮崎では変化球の制球が安定しませんでしたが、この日はそこを修正。普段緊張しない藤原投手は「(A組紅白戦では)初めてマウンド行く前に緊張しました」と貴重な経験をしたので、「もう怖いものはありません」と強心臓っぷりを覗かせ、次なるアピールへと燃えていました。

試合は惜しくも4―2で敗れてしまいましたが、斉藤3軍監督も「負けた試合で言うのはどうかと思うけど、全体的に良かった。雰囲気も良かったし、それぞれが持っているものを出そうとする姿が見えた」と充実感を覗かせました。

試合後も、安打が出ずに悔しさを噛み締めながらバットを振る選手、ミスを反省して練習する選手の姿が室内練習場にありました。日々成長。与えられた場所で結果を残し、1日も早く這い上がって欲しいですね。

最後に・・・。
ドラフト1位ルーキーの村上泰斗投手がプロ入り後、初めてブルペン入り。「まずは慣れること」と傾斜を確かめたり、脚の上げ方やグラブの位置なども試したりしながら20球。久し振りのブルペン投球ということで、浮き足立ってもおかしくない中、現在地を冷静に受け止めながら、淡々と投げ込みました。

ダイナミックで躍動感あるフォームでした。ブルペン前には、集中しすぎていたのかみんなとはぐれ、1人室内練習場に取り残されてキャッチボールに出遅れる一幕も(笑)。そんな出来事も忘れてしまうくらい、終始落ち着いたマウンドさばきで、無事に初ブルペンを終えました。大切な金の卵がまた一歩、プロでの歩みを進めました。

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