【戦評】
期待の主砲にオープン戦1号が飛び出した。2回、先頭打者の多村仁選手。三浦投手のカットボールをジャストミートすると、打球ははるか左中間スタンド最上段まで飛んでいった。
懸命なトレーニングの成果だ。オフの間、多村選手はひたすら体を鍛え抜いた。「1月、打撃練習はほとんどしませんでした。ずっとジム通いでした」。シーズン40ホーマーを放った実績もあるが、ホークスでは2年間で16本塁打。昨季は故障もあり、わずか3本塁打に終わったことがたまらなく悔しかった。シーズン開幕前の多村選手は本塁打にもバロメータをもっている。それは「右中間へ打てるか、引っ張るなら特大の当たり」という。1号弾はまさにそれ。開幕に向けた最高の準備ができている。
投手陣は新外国人選手のロー投手とジャマーノ投手の2人で9回を投げ切った。ロー投手は5回、2安打、2奪三振、3四球、1失点。立ち上がりに四球から失点してしまったが、3回からの3イニングはヒットも四球も与えなかった。ジャマーノ投手は4回、2安打、2奪三振、1四球。4イニングを49球で投げ切る安定した投球を見せた。