【戦評】
新外国人選手のアギーラ選手がオープン戦第1号本塁打を放った。3回に迎えた第1打席、甘い変化球を見逃さずに振り抜くと、打球は左中間スタンドの中段まで届いた。
「本塁打にはそれほどこだわりはないけど、1本出ていると気持ちは違ってくると思うよ」。
苦しい道のりだった。春季キャンプ終盤に右ひざの違和感を訴えて調整をスローにせざるを得なかった。実戦練習の少なさはオープン戦でカバーしなければならない。「普段は積極的に打っていくけど、日本の投手のボールをしっかり見ないといけない」と、オープン戦序盤は甘い球でもあえて見逃した。そうなれば、成績はなかなか伸びない。ジレンマだった。
それでも一発の予兆はあった。22日(日)のドラゴンズ戦(ヤフードーム)での第2打席、左翼ポール際へ大ファウルを放った。推定で120mは軽く越える大きな当たり。その後の打席でも中堅へ、右翼へ大きな当たりを飛ばした。秋山幸二監督は「前日(21日)あたりから自分の打撃ができている」と話していた。
「調子がどんどん上がってくるにつれて、気持ちも日に日に盛り上がってきたね」と笑顔。昨季はマイナーながら29発を放ったパワーはいよいよ本領発揮のときを迎えた。
また、この日も「つなぎの野球」はうまく機能した。4回には松中信彦選手が併殺を阻止する果敢なスライディングで残した走者を多村仁選手が二塁打で還して同点に追いつく。6回には四球からチャンスを作り、代打中西健太選手が三塁打を放って加点した。ウィリアムス投手からの一打に秋山監督は「外国人を怖がらない」と評価していた。
これでホークスは4連勝を飾った。