 |
入団会見を終え角田球団代表と握手を交わす大石ヘッドコーチ |
かつて4度輝いた盗塁王の血が騒いだ。入団会見で大石大二郎ヘッドコーチは「144試合というのを考えたら、川崎なんかは50、60盗塁はいける」と熱く語った。今季自己最多の44盗塁を決めた川崎宗則選手を引き合いに出し、チームの盗塁数増加を第一の目標に掲げた。リーグ2位だった川崎選手と同3位で43盗塁の本多雄一選手は、今季球団初となる「40盗塁コンビ」を達成。それでも新ヘッドは、今季以上の「足」によるチーム力アップを図り7年ぶりの覇権奪回を目指すことを誓った。
今季終了まで務めたオリックス監督時代に感じていたホークスの印象として「足が使える選手が多いという印象」と話した。今季、チームはリーグトップの126盗塁。同5位で、およそ半分の67盗塁だった古巣での消化不良をはき出すように、同ヘッドは次々とさらなる機動力アップ策を打ち出した。
1日は、就任発表後初めて秋山幸二監督と会談した。「(盗塁の)数を増やそうと思ったら三盗になる。三盗を増やしていけたらと、秋山監督も話していた。ぼくもそう思う」。今季三塁への盗塁は12回成功(1回失敗)。全盗塁数と並びこれもリーグ1位だった。来季はさらに貪欲(どんよく)に三盗を狙うことを宣言。三盗成功数を増やすことがリーグ4位だった得点力のアップ、さらには白星につながる近道と判断した。
代走のスペシャリスト育成にも力を入れる。「後半に出てくる専門的な選手を置いて、最後の1点を取りに行く」と同ヘッド。今季は6年目の城所龍磨選手がその役割を担い、終盤の緊迫した場面での盗塁を8回試み7回成功させた。「はたから見てるのと、中からでは違うので先走るわけにはいかない」と城所選手に固執せず、フラットな目で選手の適性を見極めるつもりだ。
11月25日に入団が発表されたばかりで、まだ選手とは話していない。選手との意思疎通については「とにかく話すこと」で、コミュニケーションを図る考えも明かした。「秋山監督のもと、優勝を目指して1つの歯車としてしっかり機能したい」。新しい血として注入された大石イズムが、Vへの加速力になる。