ついに大台に到達ダ！杉内俊哉投手が7月9日（土）のマリーンズ戦（ヤフードーム）で今季5勝目をマーク。これがプロ通算100勝のメモリアル白星でした。

意識しない――そんな装いはムダだった。8回までを無失点で投げきった杉内投手。ラスト1回は守護神・馬原孝浩投手に白星を託してベンチで見守りました。普通にしているつもりが落ち着かない。最後のアウト。笑顔がパッとはじけると、今まで抱えていた心のモヤモヤは一気に晴れました。

「ホントはね、パッとやろうと思ったんですがね」

4勝目を挙げて以降、3試合白星から遠ざかっていました。

「でも、中間の調整で変えたことは何もない。調子もいたって普通。良いわけでもないし、悪いわけもない」

不変のスタイル。それは杉内投手自身が積み重ねてきたことへの自信の表れであり、精神的な成長でもありました。

「プロに入った時は100勝できるなんて思ってもいませんでした。むしろ何年やれるのかなという不安の方が大きかったですね。それでも達成できたのは精神面の成長。どの球種でも勝負ができるようになった技術面の進化。そしてチームメイトの支えがあったからだと思います」

ヒーローインタビューで“次の目標は”と尋ねられた杉内投手。おそらくは“200”という答えを期待した質問だったと思いますが、杉内投手はさらりと答えました。

「101勝目を目指して頑張ります」

夢は250勝――しかし、次勝てば110、120と一気に数字が増えていくわけではない。1つ1つを積み重ねていくしかない。それが杉内投手の考え方です。

「投手が名球会に入るためには200勝しなければいけない。それだけイニングを投げても、どれだけ三振を取っても勝たなければ入れない。やはり投手の最大の評価は勝つこと。だから、これからも勝利にこだわっていきたい」

ここから積み重ねた数字が、また偉大な記録への道となります。「何年かかるか分からないけど頑張りますよ」と杉内投手は笑みを浮かべました。