
右足首を捻った攝津投手

稲葉選手から花束を贈られる小久保選手

両チームによる小久保選手の胴上げ
10月19日(金)、ホークスの2012年シーズンは幕を閉じました。
日本シリーズ進出をかけた「マニュライフ生命 クライマックス パ」ファイナルステージ」の第3戦は2対4の結果。0勝4敗(ファイターズのアドバンテージを含む)で敗退となりました。
ホークスナインは最後まで、勝利への執念を全身で見せました。攝津正投手は初回に右足首を捻るアクシデント。その後、捻挫と診断される激痛にも、「投げます」ともう一度マウンドに向かっていきました。本多雄一選手はファウルフライを追いかけて、ダイビングキャッチ。フェンスに顔面から激突。それでもボールは離しませんでした。
今シーズンの終了――すなわちそれは小久保裕紀選手の現役生活の終わりでもあります。この日も「5番ファースト」で先発出場。しかし、4打数ノーヒットでバットから快音は聞かれませんでした。2点を追う9回2死二塁、一発出れば同点の場面がプロ野球選手としての最後の打席でした。結果はショートフライ。この試合、そして今季ホークスの最後の打者でもありました。
試合後、ホークスナインはライトスタンドで熱烈な声援を送っていただいたファンの皆様のもとへ挨拶。「小久保コール」が響く中、ファイターズの首脳陣や選手たちがホークス側に近づき、栗山監督が小久保選手へねぎらいの抱擁を交わし、稲葉選手からは花束が贈られました。そして両チームによる小久保選手の胴上げ。小久保選手は涙で顔がくしゃくしゃになりながら、6度宙を舞いました。札幌ドームを埋めたファイターズのファンの皆様からも大きな、大きな「小久保コール」。場内には小久保選手がずっと登場曲で使用したSMAPの「ありがとう」が流れる、ありがたい演出もありました。
その後、報道陣の質問に応えた小久保選手。「クライマックスシリーズに関しては(チームの)力になれず、あっという間に終わってしまったという印象です。最後、ハムの選手のみんなから胴上げまでしてもらい感謝の気持ちでいっぱいです」とまだ涙の乾かない目のまま話しました。しかし、その涙については「悔いはないので悔し涙じゃない。今は感謝の気持ちです。また、ビジターにもかかわらず、ファイターズのファンの皆様からもあれだけの声援をいただき御礼を申し上げたい」と口にしました。
そして、ホークスのナインには「昨年はウチが3連勝した。短期決戦はこういうこともある。僕はユニフォームを脱ぐが、他の選手たちはこれからも続いていく。この悔しさを晴らすために、秋のキャンプ、自主トレ、春のキャンプに取り組んでほしい」と思いを語りました。また、最後の打席については「ひょっとしたら最後回ってくるかなとは感じていました。セイイチ(内川選手)がツーベースを打って、よし、と。公式戦の最後もそうだったが、最後の最後も真剣勝負で戦えたのが良かった。おっきいのを狙いにいったんですけどね。真剣勝負の配球で来てくれたのは良かったと思います」と話しました。
そして、ファンの皆様へ「今までは野球が上手くなるための人生だったが、そうではない第2の人生を歩んでいきます。『人間・小久保裕紀』をよろしくお願いいます」と思いを伝えました。