


頂点奪回への鷹の執念だ。見事な逆転勝利で、3年ぶりの開幕戦白星発進を決めました。工藤公康監督にとっては就任して初めての開幕戦勝利です。「本当にうれしいですね」と試合後はニコニコ顔でした。
全幅の信頼を置いて送り出した左腕が、これぞエースというピッチングを見せました。
和田毅投手が立ち上がりからゼロを並べ続けました。「初回はすごく力んでいました」と苦笑いで振り返りましたが、スピード、曲がり、キレすべてに隙のない投球で三者凡退の最高のスタート。これには工藤監督も「開幕戦という独特な雰囲気の中、チーム全体に勇気を与えてくれるピッチングでした」と称賛の言葉を送りました。
その後も強きにインコースを突き、相手打者に自分のバッティングを全く許しません。7回に先制点を許しましたが、逆に和田投手の好投に奮い立ったホークス打線がここから一気に熱く燃え上がりました。
7回裏に松田宣浩選手が同点タイムリー。そして8回裏、先頭の上林誠知選手がヒットを放ち、続く今宮健太選手が送りバントでチャンスを拡げ、迎えた本多雄一選手がやりました。
「打ったのはストレートです。もう打つしかないでしょう。気持ちをぶつけていきました」
センターへ勝ち越しのタイムリーヒット。さらに柳田悠岐選手の犠牲フライでもう1点を追加して勝利をぐっと引き寄せました。
和田投手は8回を投げ切って被安打5、奪三振7、1失点の内容で今季1勝目をマークしました。
「配球的にも次につながる試合になったと思います」。それはチームにとっても、自身にとっても。3連戦の初戦に投げるという自覚。まさにこれがエースです。
「僕はその日マウンドに立っている投手はみんなエースだと思っています。だけど、監督にも『エース』と言ってもらえるのは嬉しい。シーズンの最後までそう言ってもらえる様に頑張ります」