「もう1頂!」への集大成。プロ野球の頂上決戦「SMBC日本シリーズ」がいよいよ開幕します。第1戦はビジターのマツダスタジアムで行われます。
カープとの今季交流戦での対戦はヤフオクドームで3試合を戦って2勝1敗でした。スコアは8対0、6対2、4対13。初戦では、このシリーズ第1戦でも対戦する大瀬良投手に初回がデスパイネ選手、2回には髙田知季選手、4回は上林誠知選手が本塁打を浴びせて試合序盤でがっちり主導権を握りました。2戦目は内川聖一選手が約1か月ぶりの1軍復帰戦でいきなり本塁打という自らの祝砲で勝利しました。
また、投手陣では、千賀滉大投手が初戦に投げて5回3安打無失点で勝利投手になっています。
この「千賀投手×大瀬良投手」の投げ合いが日本シリーズ第1戦で再現されるのです。千賀投手は「直接戦うわけではない。いつも通りに投げるだけ」と平常心を表していました。
工藤公康監督はカープについて「セ・リーグを圧倒的な強さで勝ち抜いたチーム。隙がないと思います。特に打力、走塁が上手く、相手の弱点をついて点を取る。ファンの方もチームも一つになっているのも素晴らしいと感じています」と話しています。また、自身がライオンズの投手として活躍していた時代に、2度日本シリーズで対戦したことがあり、当時を懐かしそうに振り返りました。
「カープはしぶとい。2回とも4勝3敗だったしね」
なかでも1986年のシリーズは史上唯一の第8戦までもつれ込む激闘でした。その最終戦、当時の工藤投手は3対2と勝ち越した直後の8回裏からマウンドに上がり、ピンチを背負いながらも2回無失点。歓喜の胴上げ投手となりました。
「あそこを乗り越えられたことで、自分自身も変われたかなと思います」
また、達川光男ヘッドコーチとの縁も日本シリーズがキッカケでした。
「素晴らしい日本シリーズをファンの皆様にお見せしたいです」
どんなドラマ、一瞬の興奮、新たな伝説が今年の日本シリーズからも生まれるのでしょうか。今年の日本シリーズのプレーボールは全戦18:30となっています。
2018年10月27日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)