
吉村選手ヒーローインタビュー

※iPhone/iPadにての動画視聴に時間を要しておりますので、あらかじめご了承ください


【5月3日(日) ホークス3-2バファローズ 京セラドーム】
<今日の熱男 吉村裕基選手=9回2アウトから逆転2点三塁打> 鷹のふるさと大阪での「OSAKA CLASSIC 2015」最終戦。京セラドームの三塁側スタンドを埋め尽くした南海カラーの緑の熱い応援に応えた見事な、本当に見事な大逆転勝利。「一番強いんは、ホークスや!」と力強く勝どきを上げました。
0対2で迎えた9回表。先頭の柳田悠岐選手が技ありのレフト前ヒットで出塁すると、過去2戦の9回に本塁打を放っていた李大浩選手がこの日も会心の当たり。惜しくも同点弾とはなりませんでしたが、左翼フェンス直撃の二塁打でまずは1点を返しました。なおも松田宣浩選手が内野安打を放ち一、二塁。明石健志選手は凡退して2アウトとなりましたが、二、三塁と一打逆転の場面をおぜん立てしました。
打席は8番の吉村裕基選手。「初戦でも9回に追いついたし、2戦目も点を取っていたので『何かある』と思ってしっかり準備はしていました」。外角球をジャストミートすると右翼へ。飛び込んできた相手外野手のグラブをかすめて打球は外野を転がり、2者がホーム生還して逆転に大成功。スリーベースヒットとなりベンチを見ると、もうホークスナインは総立ちで拳を突き上げて大喜び。ベンチ裏のサロンでも歓声が沸き、もちろん緑に染まったホークスファンも誰もが頭上で手を叩いて喜びの声を上げました。「とにかく集中力だけはしっかり持って打席に臨みました。もし結果が出なかったとしても納得できると、自分を信じられるくらいの状態でした」。昨季、代打での打率.500をマークした吉村選手らしい、まさに一打席にかけた強い思いが実を結んだ見事な逆転三塁打でした。
9回裏はサファテ投手が締めくくって8セーブ目をマーク。そして、勝ち投手になったのは8回を3者凡退に抑える好投を見せた二保旭投手でした。嬉しい、嬉しいプロ7年目での初勝利です。「ウイニングボールはサファテからもらいました。実感がわいてくると、長かったな、やっとだなという思いが込み上げてきました」。2012年にはウエスタンで11勝0敗とこれ以上ない結果を残すも一軍では結果が出ず、昨季は1軍マウンドに上がることすら叶いませんでした。「気持ちが腐ったこともありました」。しかし、家族のことを思うと「自分には野球以外ない」と奮起を誓い、苦しいトレーニングにも目を背けることなく耐えてきました。ファームで活躍した頃は140キロほどだった球速も現在では140キロ台後半をマーク。「今は自信を持って、怖がらずに腕を振ることが出来ています」。その気迫を買ったのが工藤公康監督。「たとえカーブでも『打てるものなら打ってみろ』という気持ちが伝わってくる」と高く評価してマウンドに送り出しています。「やっとスタートに立てました。これからもチームに貢献できるように頑張っていきたいです」。背番号13の右腕がまた大きな自信を胸に、さらに大きく躍動してくれるはずです。
2015年5月4日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)
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