


【4月15日(金)ホークス3-2イーグルス】
<今日の熱男=内川聖一選手 値千金の決勝3ラン。涙のお立ち台>
一振りに懸ける集中力。「甘い球が来たら、絶対に逃さない」。初めて走者を出した4回裏、1アウト一、二塁で4番・内川聖一選手が打席。その初球でした。
「打った瞬間、ウソやろと思いました。入ったと思いましたが、練習でも無いような手応えと打球でしたから」
低いライナーがそのまま左中間スタンドへ。「ホームランは全く考えていなかった。打った本人が一番びっくり」という、試合の均衡を破る今季2号3ランでした。
先発した今季1軍初マウンドの東浜巨投手が直後に失点するも5回2失点でリードを守りきり、その後は4人の投手が1回ずつを継投。見事逃げ切ってホークス5連勝です。
お立ち台に上がった内川選手。ホームラン、そして好調なチームについて一通り話し終わったところで、インタビュアーから前夜の熊本地震について訊ねられました。
しばし言葉を失う内川選手。「避難している姿を見ると、やっぱりこういうことはあってほしくないと思いました」。瞳がうるみ、声を詰まらせるように言葉を継ぎました。
「僕も一人の子どもを持つ父親です。子どもを抱えながら、避難して一生懸命生きる姿を見ると、本当にこういうことはあってほしくないという思いになりました」
ホークスは先の日曜日に熊本・藤崎台で試合を行ったばかり。10年連続(2007年は雨天中止)で主催試合を行っています。
「毎回満員のお客さんが入ってくれて、僕ら選手もいつもありがたいと思っています。ホークスは九州全体から応援してもらっています。今は避難所にいて野球どころじゃないという方もいらっしゃると思います。でも、僕らは野球選手として、野球を見ている間だけでも気持ちが軽くなってくれればと思っています。なかなか直接的に出来ることは少ないですが、野球で元気になってほしい。」
工藤公康監督も「ソフトバンクは九州のチームという自負をみんなが持っている。今日は絶対に勝ちたいと思って、みんな戦っていた。一日も早く復興してほしいを祈るしかない。もし、ホークスが勝つことで元気になってもらえるのならば、その思いを届けようという気持ちをもって毎日試合に臨みたい」と話しました。
工藤監督の熱男トーク
――内川選手が見事な一発。
「よく決めてくれたと思います。エラーでランナーが出て、柳田くんが四球でつないでくれて、最高の結果を作ってくれた。さすが4番、キャプテンというところを示してくれたと思います」