宮崎秋季キャンプも残すところあとわずか。最終日は午前中の練習でほぼ終了するため、丸一日練習できるのは11月16日(金)が最後となりました。
午後からあいにくの雨という天候でしたが、午前中はランニングメニューをグラウンドでしっかりと行いました。投手陣は300mのインターバル走など中距離をメインに、力の限り走り抜きました。心肺機能向上、回復力アップを身につけることが狙いです。
午後ははんぴドームで、野手は守備と打撃、投手はブルペンでシャドーピッチングなどに取り組みました。
秋季キャンプが終われば、今季がプロ1年目だった選手たちを「ルーキー」と呼ぶこともなくなります。
今季新人選手ではドラフト2位入団の高橋礼投手がシーズン最終盤の活躍で侍ジャパンに抜てきされるまでに成長したり、育成4位入団だった大竹耕太郎投手が支配下入りを勝ちとりシーズンで3勝を挙げるなどアピールをしたりしました。
1位入団は吉住晴斗投手。担当スカウトの作山スカウトが「彼の場合は体のスタイル、身体能力がすぐれた選手です。ただ、まだ高校生の中でも決して技術が高い方ではなかった。まずは三軍などファームで経験を積むことが必要かなと思っていました。体の出力の大きさは十分。あとは経験です。3年後あたりに頭角を現してくれればと思っていました」と話すように、今季はファームでじっくりと経験を積みました。将来は「160キロをマークしたい」と直球にこだわりを持ち、磨いていきます。
4位入団の椎野新投手はクライマックスシリーズ・ファイナルの緊迫したマウンドを経験しました。「ファームで佐久本コーチや久保コーチから教えてもらったことを、あの試合で一番出せたと思います」とその登板を振り返りました。日本シリーズはベンチ入りこそしませんでしたが、第6戦はマツダスタジアムのロッカールームで戦況を見つめていたそうです。「それでも独特の緊張感がありました。いい経験をしました」と来季の飛躍につなげてくれるはずです。
3位入団の増田珠選手は、高校時代は外野専門でプロ入り後に内野手に専念するようになりましたが、ファームでしっかりと戦い抜きました。三軍とはいえ打率3割台もマーク。工藤公康監督も「大したもの」と称賛の言葉を送っていました。
5位入団の田浦文丸投手もファームで経験を積む1年でしたが、独特のチェンジアップは「魔球」と呼ぶにふさわしく、プロの打者を翻弄する場面もしばしば見られました。
育成組でも尾形崇斗投手がこのキャンプで工藤監督から熱心に指導を受けるシーンもあり、これからの伸びしろに期待が膨らむばかりです。
「ルーキー」の肩書が外れて、また新しいステージで勝負をしていく彼ら。プロ2年目の大飛躍が楽しみです。
2018年11月16日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)