2019/01/08(火)選手

攝津投手が引退会見、晴れやかに「後悔はない」

1月8日(火)、攝津正投手が引退会見をヤフオクドーム内のプレスカンファレンスルームで行いました。

会見の冒頭で攝津投手は「本日を持ちまして、引退の報告をさせて頂きたいと思います。今までありがとうございました」と晴れやかな表情で話しました。

攝津選手は秋田県出身の36歳。秋田経法大付属高校からJR東日本東北を経て2008年ドラフト5巡目でホークスに入団しました。指名当時は26歳の「オールドルーキー」でしたが、プロ1年目から大活躍。中継ぎの軸としてパ・リーグ新人最多登板記録の70試合に投げて39ホールドをマークして最優秀中継ぎ投手賞のタイトルを獲得し、文句なしの新人王にも輝きました。2年目も2年連続リーグ最多となる71試合に登板。3年目の2011年に先発転向するといきなり14勝を挙げてチームのリーグ優勝と日本一に大きく貢献もしました。

2012年は17勝(5敗)、勝率.773で投手2冠に輝き、最高の栄誉とされる沢村賞も受賞しました。先発投手としては5年連続2桁勝利(2011年~2015年)。また、球団記録となる5年連続開幕投手(2012年~2016年)も務めました。

通算成績は282試合に登板、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98でした。

以下、会見の要旨です。

――安定感とコントロールを武器に、貫いた10年間の現役生活だったと思います。
「そうですね。この10年、それをモットーにやってきたので。本当によかったです。どんなにダメだったとしてもまだまだ伸びしろがある。そのようにプラス思考に考えながらやって来ました。上手くいった部分が多かったと思います」

――デビュー戦はルーキーイヤーの開幕第3戦。杉内投手をリリーフしてマウンドに上がりました。
「正直記憶がない。ドキドキし過ぎて。どんなスタートだったか覚えていない」

――また、プロ入りは秋山監督が就任した1年目でした。
「僕自身が1年目で使えるかどうかわからないピッチャーだったと思う。使って頂いたことに感謝しています。あの時がなければ、今はないと思う」

――その後先発転向。細川捕手とバッテリーを組み、配球の妙を感じさせる投球を見せてくれました。
「本当に野球界に入って、細川さんとの出会いも大きい。勉強になった」

――WBC、沢村賞など輝かしい功績の中でも、野球のフィールドで表情は変えなかったのも印象的でした。意識はされていたのでしょうか?
「そうですね(笑)。平常心をモットーにやっていた。喜怒哀楽を出さないように心がけていました」

――ここ3年は苦しみました。でも、今年の復活白星は多くのファンの感動を呼びました。
「プロに入ってスタートから上手くいきすぎていた部分もある。1つ勝つのがこんなに大変なのかと再確認した試合でした」

――自由契約となり、オファー待っていたあいだの心境はいかがでしたか?
「うーん、正直自分の中で厳しいだろうなと思っていました。でも、少しでも可能性があれば、やりたいと思っていた。不安もありましたし、なんていうんですかね、ずっとモヤモヤした気持ちで過ごしていました」

――周りへの相談は?
「(オファーが)なかったら辞めると話はしていた。家族からは『分かった』と。それだけです」

――昨年一杯を区切りとしていました。
「それ以上待つというのは現実的に(厳しい)。シーズンで活躍するのが目標なので、(年を越せば)活躍が難しいのではと思った。それで年内いっぱいと決めていた」

――ご自身の残した成績について。
「10年という短い選手生活でしたけど、本当に満足していますし、後悔も、悔いもなく終わることが出来ました」

――10年間、ホークスにずっと在籍して同じ背番号50をつけました。同様に10年間、ホークスに在籍して、背番号も変わらなかった選手というのは少ないです。
「(引退は)誰しもが通る道なので。本多や城所もそう。でも、まだ高谷さんがいますから。本当に頑張ってほしいと思います」

――今後について。
「何かしら野球に携わりたいと思っているが、具体的には今後考えます」

――横には和田投手から花も届いています。
「本当にありがたい。偉大な先輩ですし和田さんがいて、この人と一緒に活躍したいと思ってやっていました。尊敬する先輩から贈って頂き、感謝しています」

――ホークスでまた、とのメッセージも。
「チャンスがあれば。チャンスとタイミングだと思うので。今はホッとしたというか、そういう部分も大きい。落ち着いたら考えたい」

――ファンへ
「10年間、たくさんの応援本当に感謝しています。今年の西武戦では、今まで味わったことのないような素晴らしい声援を送って頂いた。こういう経験はなかなか出来ない。これからの人生に役立てていきたいですし、これからも引き続きホークスを応援して頂けたら嬉しく思います」

――改めて今の心境は?
「意外とすっきりしています。これから野球と離れて寂しさとか出てくるかもしれないけど」

――1番の思い出は?
「入団した時のことです。すごいスター選手ばっかりで、松中さんや小久保さん、杉内さんに和田さんに和巳さんがいて。とんでもないところに入ったなと思いました」

――改めて10年間のプロ野球人生は?
「上手くいった。上手く行き過ぎたんじゃないかなと思う。10年続けられたのが一番です」

――誇りに思えることは?
「活躍した部分もありましたし、一方でここ数年はダメだった。色んな選手の気持ちになって物事を考えられるようになったのかなと思います」

会見後は愛娘から花束を贈られて、また笑顔に。ヤフオクドームを後にする際には駆けつけていた数名のファンに丁寧にサインをするなど、寡黙な裏側にあった誠実な人柄はそのままだった「攝津投手」。たくさんの感動をありがとうございました。

2019年1月8日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

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