


【9月28日(土) ホークス7×-6ライオンズ ヤフオクドーム】 「興奮状態の中にいるので、何とも言えません。打った球は…うーん、分かりません!」
延長10回、殊勲のサヨナラ三塁打を放った長谷川勇也選手。いつもは冷静な男がお立ち台で唇を震わせていました。
負ければクライマックスシリーズ(CS)圏外の4位に転落してしまう、絶対に負けられない一戦。しかし、苦しい展開で試合は進みました。序盤は先発オセゲラ投手の制球が定まらずに、2回までに3失点。その後、本多雄一選手の通算1000安打目となる2点タイムリーなどで反撃しますが、8回表が終わった時点で3対6の劣勢でした。
ホークスの猛攻が始まったのは8回裏。2死満塁のチャンスから中村晃選手がセンターへ2点タイムリーを放ち1点差とします。そして、9回裏。先頭の長谷川選手がヒットで出塁。これが今季191安打目で、シーズン球団記録を更新する一打でした。さらに内川聖一選手が連打で続き、チャンスで柳田悠岐選手が執念でレフトへ同点タイムリー。
延長戦になると流れは完全にホークス。五十嵐亮太投手が9回に続き10回も三者凡退の好投を見せると、10回裏に長谷川選手が試合を決める一打を放ちました。一塁ランナーの今宮健太選手の好スライディングも光りました。
この日は「斉藤和巳投手 感謝のセレモニー」が行われたこともあり、38,561人の満員御礼。サヨナラ勝利の瞬間は今季最大級の大歓声に包まれました。また、長谷川選手は2010年に斉藤和巳投手も参加したアリゾナ自主トレでともに汗を流した経験があります。
「和巳さんはすでに怪我をされていて、また手術を決断する少し前の時期でしたが、練習一本一本に対する気持ちの入り方がすごいと感じました。その気持ちは、今の僕も大事にしています」
練習からひと振りも無駄にしない姿勢。その積み重ねが、現在「192」の安打数にも表れています。
「今日の4打席目までノーヒットで、200本は無理じゃないかと思われたファンの方もいるかもしれませんが、何とか粘れて2本打てました。これからも毎試合たくさんヒットを打ちたいと思います」
そして、CS地元開催へ――「必ずここでCSをやりたい。あともう少しの間、みなさんの熱い、大きな声援を僕たち選手に送ってください」。