

【7月25日(土) ホークス2-0バファローズ ヤフオクドーム】
<今日の熱男 武田翔太投手=7回無失点の快投で自己最多タイの8勝目>
武田翔太投手が7回3安打無失点の好投で、自身が1年目に記録した8勝に並びました。6月29日以来の白星です。
いきなり訪れた最大の危機を乗り越えました。先頭打者にヒットを許し、1アウト後に連続フォアボールを与えてしまい満塁の走者を背負う大ピンチ。ここで5番・糸井選手に対して連続してボール3つを投げてしまい、絶体絶命の場面に追い込まれました。
ここで武田投手は「キャンプからやってきたことを、出そうと思った」。ずっとテーマにして、磨きをかけたストレートを信じ、強く右腕を振り抜きました。まずストライクを奪い、そこから3球ファウルで粘られても信念を貫きました。最後はインコースへ144キロで見逃し三振に仕留めました。続く宮崎選手にはストレートと変化球をバランスよく使って3球三振。この後7回まで、スコアボードに「0」を並べてみせました。
「でも、内容的にはあまり納得できない投球でした」
お立ち台では笑顔の中にも、少しだけ曇った表情も見せた右腕。しかし、その中で白星を掴んだことが、武田投手の確かな成長と言えます。
「今日は自分の中での“ライン”がおかしかった。右打者の外角いっぱいを狙ったボールが、自分の理想よりも左打席の白線からボール2個分ほど入ってしまっていたんです。体が開いていました」
武田投手の投球イメージとは――。<投げる際に一瞬地面を見る。その際に左足の土踏まずから、狙いを定めるようにキャッチャーめがけて視線でラインを引く。その線の上を通すようにボールを投げ込む>。
踏み出す左足に意識を置き、試合中に体の開きを修正したと言います。武田投手の能力の高さをうかがわせる、この日のピッチングでした。
「今日は絶好調などという試合は、シーズンの中でも多くありません。年に1,2回と言ってもいい。悪い時に悪いなりに抑えられるか。それが出来たという意味では自信になります」
今季の目標は先発ローテで投げ抜くこと。8勝目も、さらには2桁勝利もその過程でしかありません。「1つ1つ積み重ねていくだけです」と22歳右腕は静かに誓いました。
そしてチームは前半戦ラストからこれで5連勝。今季最多貯金はまたまた更新し「26」としました。