


【8月11日(火) ホークス7×-6バファローズ ヤフオクドーム】
<今日の熱男 柳田悠岐選手=劇的すぎる逆転サヨナラ3ラン>
その瞬間、ヤフオクドームは嵐のような歓声に包まれました。4点ビハインドで迎えた9回裏、そして「あと1人」まで追い詰められました。それでも、ホークスの誰もが勝利の2文字を最後まで諦めていませんでした。
吉村裕基選手の三塁打と本多雄一選手のフォアボールで走者をためました。しかし代打の福田秀平選手がいい当たりを放つもレフトライナーに倒れて2アウト。
打順が1番に戻り、明石健志選手は2球で追い込まれますが粘りに粘ってフォアボールを勝ちとり2アウト満塁とします。ここで2番の中村晃選手がやはり追い込まれながら粘ってレフト線へライナーで弾き返す2点タイムリーを放ちました。
これで2点差、なおも2アウト一、二塁。「もし一発が出れば…」の場面で柳田悠岐選手に打順が回ってきました。
「決めてやろうという意識はなかった。しっかりスイングをしよう。当てに行くようなバッティングはしない」。
そう決めて打席に向かったと言います。初球は内角のスライダーを強振。空振りしましたが、納得のスイングが出来ました。「打席に入る時に(登場曲の)『無責任ヒーロー』が流れて少し気がラクになりました(笑)」。2球目も内角スライダーでこれはボール。
そして3球目、少し甘く入ったストレートを、ものの見事に振り抜きました。柳田選手のパワーによって導かれた打球は右中間スタンドへ一直線。あまりに劇的な、そして感動的な逆転サヨナラ22号3ランとなりました。
大きくバンザイをしてダイヤモンドを回る柳田選手。1塁側ベンチのホークスナインも狂喜乱舞。誰もが飛び跳ね、大喜びです。ベンチの裏に戻ってきても歓喜の声は止みません。工藤公康監督も「すごいよ」「強い」と大きな目をさらに丸くして、興奮しっ放しの様子でした。
「残ってくれたお客さんがたくさんいたので、その人たちのためにも『やったろ!』と思っていました」とお立ち台で声を上げた柳田選手。ベンチ裏では「正直、僕なら帰っちゃう展開でしたから(笑)」とはにかみ、「でも、最後まで残って見てくれたファンの人達のためにも、何とか打ちたいと思っていました」と改めて謝意の言葉を述べました。
また、柳田選手の打席を「誰よりもドキドキして見ていました」と話したのは9回に登板して1回0封した巽真悟投手。9回逆転サヨナラ劇で白星が舞い込んできました。これがプロ7年目で嬉しい初勝利。「最高です。ボールが戻ってきたら、両親にプレゼントしたいと思います」と感無量の表情を浮かべました。
この日はファイターズが敗れたため、ゲーム差は「10.5」。優勝へのマジックナンバーと、今季の貯金がともに「33」となりました。