


せっかくの才能をあきらめないで、という野球の神様からのメッセージだったのかもしれない。今宮健太選手が、8月5日(日)のライオンズ戦(ヤフードーム)で前日に続きプロ第2号のホームラン。高校通算62発を放った"小さな巨人"がついに覚醒。広いヤフードームのスタンドに、2試合連続でアーチを掲げました。
しかも試合の流れを引き寄せる貴重な一発でした。3回裏1死からの先制本塁打。試合の均衡を破るとともに、これがチーム初安打。相手の武隈投手には7月の対戦であわやノーヒットノーランという投球とされていただけに、ホークス打線全体を活気づかせる一撃にもなりました。「前日(のプロ初本塁打)よりも手に感触はありました」と何も覚えていなかった1本目とは違った感想も話しました。
また、「インコースを上手く打てた」という自画自賛の一発でもありました。打ったのは内角ぎりぎりの直球。腕を上手くたたみ、体の回転でスタンドまで運びました。まさに芸術的な一振りでした。
「高校3年春のセンバツ甲子園で、雄星(現西武・菊池投手、当時花巻東高)の内角攻めにやられた。その後、内角を徹底的に練習しました」
高校通算本塁打のうち、半分はそのセンバツ以降から夏にかけてマークしたものです。その努力が、時を経てもなお、体には染みついていました。
今年1月には「本塁打へのこだわりは捨てます」と話したものの、この2発に「どちらも決して大振りしたわけではない。コンパクトなスイングでも、芯でとらえればヤフードームでもホームランが打てることが分かった」と新たな感覚をつかみました。
さらに、若手では、2年目の柳田悠岐選手がプロ初本塁打をマークしました。7回、ライトへの一撃はスタンド最上段まで届く特大弾でした。「やっと出ました!感動です!ボールを叩き潰してやろうというくらい、バットを思いっきり振りました。ずっとホームランを打ちたかった」。前日は今宮選手の本塁打をとても羨ましがっていたと、今宮選手が笑いながら明かしてくれました。
「若手が活躍するとチームも乗ってくる。もっともっと引っ張っていけるように頑張ります」(今宮選手)
ホークスは5割復帰まで白星あと1つ。首位とのゲーム差は「5」と、また接近してきました。