2018/10/21 (日)
選手

CS制覇に工藤監督、笑顔。MVPは柳田選手

歓喜のビールかけ

歓喜のビールかけは、柳田悠岐選手会長の掛け声からスタートしました。

まず会場に工藤公康監督やコーチをはじめ選手やスタッフらが大集合。壇上では最初に後藤芳光球団社長兼オーナー代行が挨拶をし「厳しくてしんどいCSだったけど、一戦一戦強くなっていく姿を見せてもらいました。ライオンズさんも強かったけど、ホークスの戦いは日本シリーズのチケットを取るにふさわしい戦いでした」と激闘を終えたばかりの選手たち労いました。

そして王貞治会長も「本当に素晴らしい戦いだった。ただただ良かった。今年のチームは、去年日本一になったチームよりも強いと感じます。素晴らしい。もうひと山あるけど、自信を持って臨んでほしい。もう一回バンザイ、乾杯をしよう」と声を上げました。

さらに工藤監督も「選手の皆さん、よくやってくれました。2位という悔しさを晴らしてくれた。悔しい思いを持っていても、体で表現して、勝つというのは至難の業です。よくやってくれた、ありがとう」とやはり最高の笑顔を見せていました。

柳田選手会長は「酒は飲んでも飲まれるな。そんなの関係ない! 広島に向けて、浴びますよ! 行きますよ、チェストー!」の掛け声とともに歓喜のビールかけがスタートしました。

用意されたビール3000本、コーラ480本、日本酒4樽、一升瓶60本が一気に噴き出され、約20分間ですべて空っぽになりました。

共同会見

「2018 パーソル クライマックスシリーズ パ」優勝共同会見が東京都内のホテルで行われ、工藤公康監督、MVPの柳田悠岐選手会長が出席しました。

――日本シリーズ進出が決まりました。今のお気持ちは?
工藤監督「パ・リーグの代表として、ファンの皆さんが喜んでもらえる日本シリーズをしたい。その上で勝てるようにしたいです」
柳田選手「また大舞台で野球が出来るんだと、ワクワクしています」

――リーグ2位からのCS優勝となりました。
工藤監督「シーズンを優勝できなかった悔しい思いを持ったうえで、CSをしっかり戦いぬいて勝って日本シリーズに行けました。目標である『もう一度日本一を』との思いで戦っていた。その中で勝てたのは選手たちの自信になったと思います。パの代表という覚悟。もう一度ファンと一緒に日本一になるんだ、ここからなんだとの気持ちはしっかり持っていたいです」
柳田選手「シーズンですごく悔しい思いをした。個人的にもメットライフドームではいい成績を残せていなかった。クライマックスでは自分のバッティングが出せたので、シーズン中の悔しさを晴らせたかなと思います」

――勝因は?
工藤監督「誰か1人ということではなく、チームが1つになって、勝って日本シリーズに出るんだという強い思いを持っていました。試合に出た選手、ベンチでいつでも出られるように待機した選手、裏方のスタッフも同じ気持ちで戦ってくれた。それで勝てたと思っています。また、日頃から僕にいろいろアドバイスをくれるコーチのみんなも絶対に勝つと、僕のことを励ましてくれたのもありがたい。すべてが1つになって勝てたと思う」
柳田選手「1つは雰囲気だったと思います。監督やコーチの方々もやりやすく、のびのびと野球をやらせてもらった。みんなのモチベーションも高くて、技術よりもメンタルで1つになったと思う」

――チーム力が素晴らしかった。
工藤監督「選手たちは頼もしくて力強くて、何とかしたいという思いが伝わってきた。負けた試合でも明日は何とかするんだ、勝って日本シリーズに行くんだという、普段から思いを感じること出来た。このチームで監督やらせてもらって良かった。僕のようなものを素晴らしい舞台に連れて行ってもらえることを感謝したい」

――チームの雰囲気は?
柳田選手「好きなようにやらせてくださる。自分たちのやりたいように、気持ちよくプレーをさせてくれると思います」

――柳田選手はMVPにも輝きました。
柳田選手「それは本当にたまたま。裏方さんをはじめ、首脳陣の方にも感謝したいです」

――工藤監督は柳田選手の活躍をどのようにご覧になっていましたか?
工藤監督「本当に頼もしいし、そして彼の野球に対するひたむきな姿が。1打席1打席を無駄にしない姿を、シーズンを通して見せて頑張ってくれた。体がどこも悪くないわけではない中で、シーズンもCSも過ごさせてもらった。野球選手としての意識の高さがすごく感じられて、さすが4番、さすが選手会長だと思いました」

――パ・リーグV逸の反省をこのCSではどのように生かしましたか?
工藤監督「反省は(レギュラーシーズンの)143試合を考えればたくさんあったと思う。でも、今ここでアレコレ言っても長くなる。みんなが悔しい思いを持ってくれたのが一番」

――CS中には難しい決断もありました。
工藤監督「それが私の仕事です。苦渋の決断でした。それでもコーチの皆さんとどうすれば勝てるんだと、話をしてここまで来られた。そして勝てた。僕自身ホッとしているし、コーチもすごく考えてくれた。有難いと思っている」

――柳田選手は監督の姿を見てどのように感じた?
柳田選手「監督って大変だなと思いました」

――日本シリーズの相手は広島です。
工藤監督「攻撃的な野球をするチーム。西武さんと同じように打ち勝ってきたイメージ。短い期間だけど、自分たちも準備をして勝てるようにしたい」
柳田選手「足も使えて、打つバッターがたくさんいる。凄いピッチャーもたくさんいる。難しい試合になる。でも、全身全霊をかけて戦いたい」

――広島と戦う日本シリーズです。
柳田選手「日本シリーズでカープと戦える。すごい。小さい頃を考えると想像できない。そういう舞台に立てるというのを噛み締めて頑張りたい」

――改めて、決意を
工藤監督「ホークスらしい野球をやるのが大事。短期決戦は何が起こるか分からない。自分たちを信じて、僕は選手を信じて、絶対に日本一になるとの強い思いは広島さんに負けないように。面白い、スゴイなという試合をお見せしたい」
柳田選手「今年はまだ工藤監督を胴上げしていないので、胴上げしたいです」
工藤監督「ありがとう。よろしくお願いします」

監督インタビュー・柳田選手インタビュー

2年連続の日本シリーズ進出を決めました! レギュラーシーズン2位からの挑戦でしたが、「2018 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージはライオンズを4勝2敗で振りきりました。胴上げ投手は、今季抑えで奮投してきた森唯斗投手。最後はセカンドゴロに打ち取りました。ボールをさばいた川島慶三選手はバンザイして喜びを表し、森投手も大きなガッツポーズを見せました。

優勝監督インタビューでの工藤監督。「このメットライフドームにたくさんのホークスファンが駆け付けてくれて、その応援で戦えた。今はホッとしています」と笑顔と安どが入り混じった表情を浮かべました。

相手はリーグ覇者のライオンズ。やはり強い相手でした。「挑戦する気持ち。それだけでした。勝つか負けるか勝負は分からない。だけど、挑戦していくだけと考えていました」。

シーズン終盤の追い上げ、ファーストステージ、ファイナルステージと戦っていく中でホークスナインはどんどん逞しく、強くなっていきました。「頼もしく見ていた」と工藤監督。日々スタメンも変えながら、投手起用もとても積極的でした。「私だけではなくて、コーチの方と話をしながら勝つために良い決断をしないといけないと思っていました。勝つために最善のことをしっかりやって来た。選手には苦しい思いもさせてしまったけど、勝って次のステージに行ける。本当によかった」と振り返りました。

日本シリーズに向けては「パ・リーグの代表としてセ・リーグと戦って来たい。最終目標は日本一」と話し、改めて「たくさんの声援、ありがとうございます。声援が選手を後押ししてくれて、勇気を与えてくれました」と感謝の言葉を述べました。

そしてCSのMVPに輝いたのは第4戦、第5戦で先制打を放つなど2本塁打、9打点の柳田悠岐選手でした。

「自分でいいのかなという気持ちですけど、皆さんのおかげなので、チームのスタッフみんなに還元します」と照れ笑いも浮かべました。第5戦では4打点の活躍。「初回はチャンスを作ってくれた前のバッターのおかげ。ホームランは大きいのを打てるようにスイングを入れていきました」と振り返りました。

「チームのために点を取るのが自分の仕事。いい仕事が出来ました」と話し、カープとの日本シリーズに向けては「やっぱ強いチーム。でも、ここまで来たら、あと4つ勝ちます!」と力強く話しました。

2年連続の日本一を目指す「SMBC日本シリーズ2018」は10月27日(土)に開幕。広島カープとの対戦となり、セ・リーグ本拠地のマツダスタジアムからスタートします。

2018年10月21日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

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