2018/11/03 (土)
選手

工藤監督「最高に幸せ。選手たちの頑張り」

2年連続日本一のビールかけ

2年連続日本一のビールかけは、最高に盛り上がりました。

会場に工藤公康監督やコーチをはじめ選手やスタッフ、球団関係者らが大集合。壇上では最初に後藤芳光球団社長兼オーナー代行が「シーズン2位でしたが、ポストシーズン14試合では3つしか負けなかった。素晴らしい戦いで日本一を勝ちとってくれました」と挨拶。

続いて王貞治球団会長も「みんなおめでとう! 凄かった。凄かった。素晴らしかった。長らくこの世界にいるけど、一番強い。胸を張っていい」と大きな声でチームをねぎらいました。

さらに工藤監督も「本当に素晴らしい日本一。ありがとう。みなさんおめでとう。15回も胴上げをしてくれて、こんなに幸せな男はいない」と最高の笑顔を見せていました。

そして柳田悠岐選手が乾杯の音頭。「最高に盛り上がっていきましょう。亀田史郎さんの『3150』、サイコーで」と声を上げ、「日本一の乾杯の音頭いただきます、サイコー!」の掛け声とともにビールかけがスタートしました。

用意された大量のビールや日本酒樽などが一気に噴き出され、約20分間で歓喜の泡となりました。

日本一共同会見

広島市内のホテルにて、日本一共同会見が行われ、工藤公康監督、柳田悠岐選手会長、シリーズMVPの甲斐拓也選手の3名が出席しました。


【工藤監督】

――胴上げでは15回も宙に舞いました。
「選手たちの手のぬくもりというか感触が凄く残っていて、1年間こんな私を支えてくれてありがとうという思いで、胴上げを噛み締めていました」

――クライマックスシリーズではビールかけ不参加でしたが、今日は?
「今日は少しだけ参加させて頂きたいと思います」

――2位からの日本一まで駆け上がりました。
「レギュラーシーズンの最後の12連戦からすぐにCSが始まって、ファーストステージ、ファイナルステージとスケジュールが厳しい中で選手たちは本当に頑張ってくれました。特にファイナルはシーズン2位という悔しさを持った中でしっかり戦って、勝つことが出来た。日本シリーズに何としても出たい。最終的な目標は日本一だと選手たちにも伝えて、選手たちも勝ちたいという思いで戦ってくれたことが僕は幸せです。選手たちには心から感謝したい」

――今の思いは?
「本当に、選手たちがよくやってくれたと思います。そして選手たちを支えてくれたコーチの皆さん、スタッフ裏方の皆さん、球団幹部の方、多くの方の支えがあっての日本一です。選手に聞けばみんな満身創痍と答えるでしょう。その中でも集中して、勝つんだという思いを持って戦ってくれた。誇りに思いますし、感謝しかない」

――短期決戦では積極的な采配が数多くありました。
「やっぱり勝ちたいという思いでした。選手たちにも伝えたし、コーチの皆さんにも伝えたうえ、どんな方法がいいかをみんなで話をした。苦渋の決断もありました。内川くんに関してはバントする機会の少ない中でしっかり決めてくれた。頭の下がる思いでした。選手には苦しい思いをさせたかもしれない。でも、勝ちたいという思いも伝えた上でした。ピッチャーは第2先発を作った方がいいと、コーチたちと毎日ミーティングを重ねて話し合いました。日本一という結果に繋がったことが嬉しいです」

――それに応えた選手も凄かった。
「本当にすごいな、と。僕自身が鳥肌が立つくらい苦しい状況の中、抑えてやろうと投げた投手。打ってくれた選手。コンディショニングに関してもトレーナーからぎりぎりの報告が来ていました。選手たちは歯をくいしばって耐えてくれた。本当に感謝をするし、この僕を15回も胴上げしてくれた選手に心からありがとうと言いたい」

――4勝1敗1分でしたが、紙一重の戦いでした。その中でカープを上回った要因は?
「どっちに転んでもおかしくないゲームがたくさんありました。最後の踏ん張り。それはたぶん、選手の中にも2位に終わった悔しさ、日本一になるという強い思いがほんのわずか上回ったのだと思います」

――相手はセ・リーグ3連覇の広島でした。
「走攻守において隙の見つからないチームでした。日本シリーズでは先発だけでなく、リリーフにも球が速くて特徴ある選手が揃っていました。打つのは至難だったと思います。その中でもボールを見極めたり、何とか塁に出ようという思いを見せてくれた。紙一重の所で、結果が違っていても不思議でない。広島さんは強くてまとまっていて、素晴らしいチームでした」

――シリーズで印象に残っているシーンなどは?
「そうですね。MVPをとった甲斐くんの素晴らしいセカンドへの送球。本人にも話したけど、シーズンよりも捕ってから投げるまで早かったのでは。たぶんそうです。甲斐キャノンに、アウトになった広島の選手が不思議そうな顔をしていた。すごく印象に残っています。また、内川くんにバントをしてもらった所は苦渋の決断でした。それでも快くバントをしてくれた内川くんに感謝です。松田君も外れることもあったけど、ベンチで声を出して周りを鼓舞してくれたのをたくさん見ました。ゲームに出ているつもりでチームの為に、とやってくれたのが本当に嬉しかった。柳田くんのサヨナラホームランはバットを折りながらも打ってくれた。さすが4番のバッティングをしてくれた。1年間4番を打つのは大変だったと思いますが、最後の最後まで集中力切らさずにやってくれた。素晴らしかった」

――ホークスの強さはどんなところにありますか?
「常に私は明るく元気に、野球は楽しく真剣にと話してきました。ベンチは常に明るい。楽しめよの声もたくさんありました。その中でも真剣に相手に向かっていく。それが出た一年だったと思います」

――ファンの皆さんへ。また、ヤフオクドームのパブリックビューイングには15,614人の方が来られたそうです。
「今日来てくれた、たくさんのファンの皆さんが背中を押してくれたことで選手に勇気を与えてくれました。感謝したいです。ヤフオクドーム、そして日本全国で応援してくれたファンの皆さんにも感謝したいです。日本一の報告できることを嬉しく思います。ありがとうございます」


【柳田選手会長】

――選手会長としてのシーズン。日本一になりました。
「苦しいシーズンでしたけど、日本一という結果にホッとしています」

――胴上げもされました。どんな気分でしたか?
「夜空が綺麗で、心地よく、先輩方にも上げて頂いて、感謝の気持ちでいっぱいです」

――故郷広島の夜空でした
「ドラフトの時にも上げて頂いた。それ以来、8年ぶりです。いい思い出が出来ました」

――シリーズでは厳しい攻めもありました。
「カープの投手は球も強いし、コントロールもいい。打つのは難しいと思ったが、前のバッターがチャンス作ってくれて楽な気持ちで打席に入ることが出来ました。打点もついたし、後ろの打者も打ってくれた。チームメイトのおかげで日本一になれたと思います」

――サヨナラホームランは?
「あそこだけでしたけど、いい感じに出来たのは。でも、試合を決める一本を4勝のうち1つ打てた。微々たる貢献でしたけど、すこしでも貢献できたので良かった」

――内川選手のバントのシーン。ベンチでチーム皆で出迎えていたのが印象的でした。
「内川さんほどの打者でもチームバッティングに徹していた。雰囲気が良くなった。松田さんも試合に出られずに、ロッカーでは常に打撃のことは考えていたけど、いざグラウンドでは声をたくさん出して鼓舞してくれた。そういう先輩を見て、自分たちもやらないと、と思いました」

――ホークスの強さはどんなところ?
「ガムシャラに、どうやったら勝てるかとみんなで考えて、チームで束になって行けるところだと思います」

――広島はどのようなチームでしたか?
「元気が良くて、走攻守すべてにおいてチーム一丸。ホークスと同じようなスタイルに感じました」

――ファンの皆さんへ。
「1年間ずっと熱い声援を頂いたおかげで日本一になれました。本当に感謝しています。ファン感謝祭でお返しをしたい」

――シーズン3位、4位という時期もありました。乗り越えた要因は?
「監督と選手みんなで食事に行き、選手の思っていること、監督の思っていることを話し合ってすごく楽しい食事をしました。それでチーム一丸というか、良い波がやってまいりました。なかなかチームが勢いを乗っていない中で、どうしたらチームがいい風に行くかと、思い思いのことを言い合った。監督さんもそれをやってみるかと、受け入れてくださって、選手としては凄く有難かった。そんな監督を勝たせたいという気持ちになった。それでいい方向に行ったのではと思います」


【甲斐選手】

――MVPです。実感は?
「監督から褒めてもらえると素直に嬉しいです」

――6回連続で盗塁阻止しました。
「そこは、ピッチャーの方も牽制やクイックを工夫してやってくれた結果だし、野手の方が素晴らしいタッチもしてくれた。自分1人では無理でした。ピッチャーにも野手にも感謝の気持ちでいっぱいです」

――それでも大きな勲章を手にしました
「昔から自分の長所はココだと思ってやって来ました。育成の頃からアピールしてきた。この素晴らしい舞台で結果を出せてよかった」

――全国に甲斐キャノンという言葉が浸透しました。
「自分ではあまりそんないいと思っていない。でもそう思ってもらえるのは嬉しい」

――盗塁を刺しても仕掛けてくる広島カープはどのように映りましたか?
「塁に出たら何か仕掛けてくるのではと頭にあった。準備はしていた。何かあるなと思っていた」

――プレッシャーは?
「あったし、そこはピッチャーの方もカバーしてくれた。バンディ(バンデンハーク投手)も牽制やクイックを入れてくれた」

――リードをしていて広島打線は?
「何があるか分からない打線。素晴らしい打線でした。1球も気が抜けないと頭に入れていた。1球の選択ミスが負けを呼ぶことある。怖い打線だった」

――でもピッチャーは逃げずに向かって行った。強気のリードに応えてくれました。
「頼もしいピッチャー陣です。本来は自分がしっかりリードしないといけないけど、逆にピッチャーに支えてもらった。感謝しています」

――成長したと感じる部分は?
「まだまだ力不足。もっともっと勉強して、キャッチャーとしてピッチャーをリードできるように」

――ファンの皆さんに
「シーズンは2位という悔しい結果。でも熱い声援で日本一になれた。良い時も悪い時も熱い声援を送ってくれた。感謝しています」

――アドバイスをくれたコーチは?
「吉鶴コーチにはたくさんアドバイス頂いたし、自分の思ったようなスローイングができない時も細かい動きの声を頂いた。タイミングあってないよ、とか。いつもたくさんのアドバイスをもらうので、それで自信を持って臨めたと思います」

――高谷捕手の存在は?
「高谷さんの存在は大きかった。このような素晴らしい賞を頂いたけど、高谷さんの力もあった。一番しんどい部分、最後を守ってくれたのは高谷さん。僕はまだまだ力不足。高谷さんの存在あるからこそだと思います」

工藤監督「最高に幸せ。選手たちの頑張り」

工藤公康監督が広島の夜空に向かって15度も宙を舞いました。

「SMBC日本シリーズ2018」は、ホークスが4勝1敗1分で制して2年連続9度目となる日本一を達成しました。

お立ち台で日本一監督インタビューに応えました。


――日本一おめでとうございます。
「ありがとうございます」

――15回宙に舞ったお気持ちは?
「最高に幸せでしたし、選手たちはシーズン終盤からほぼ休むことなく満身創痍で突っ走ってくれました。選手のみんな本当にありがとう」

――2位から日本一です。
「2位という悔しい思いをして、みんなでとにかく日本一目指して頑張ろうと強い気持ちで戦いました。選手のみんな疑わずにやってこれたことで日本一になれたのだと思います」

――本拠地に戻ってから、ホークスの強さが発揮されました。
「福岡のファンの皆さんの後押しで、本来の形、野球がしっかり出来た。その中で3連勝できたと思います」

――4勝1敗1分でしたが、広島も強かった。
「本当に広島さんは強くて、どこで逆転してくるかと、僕の心臓はドキドキしてました。1つになって日本一をめざし、お互いが切磋琢磨出来た素晴らしい日本シリーズでした」

――短期決戦、先手先手の投手采配も当たりました。
「これは、僕だけじゃなくてピッチングコーチと何度も何度も話をして、第2先発を作った方が良いのではといいアイデアを出してくれたおかげです」

――改めて日本一の報告を。
「今日来ていただいたホークスのファンの方、本当にありがとうございました。福岡で待ってくださるファンにも日本一の報告が出来て嬉しいです。全国のホークスファンの皆さん、選手の頑張りで日本一になることができました。僕は本当に幸せな人間です。選手のみんなお疲れ様」


また、工藤監督の胴上げに続いて柳田悠岐選手会長、森唯斗投手も宙を舞いました。

MVPにはシリーズ新記録となる6連続で盗塁阻止を果たした「甲斐キャノン」こと甲斐拓也選手が輝きました。

そして優秀選手には森投手、柳田選手、中村晃選手が選ばれました。

平成最強を証明!感激の2年連続日本一

「もう1頂!」の夢、ついに結実しました。

2年連続日本一。球団史上2度目の偉業を成し遂げました。

11月3日(土)、マツダスタジアムで行われた「SMBC日本シリーズ2018」の第6戦で、カープに2対0で勝利。今シリーズを4勝1敗1分で制しました。ホークス(南海、ダイエー時代も含む)の日本一は2年連続9度目となりました。

「もう1頂!」に込めた思い。今シーズン、ホークスが目指したのは「連覇」ではありませんでした。また1から、もう1回、頂点を目指し、一致団結して登り続けること。選手もファンも1つになって、もう1回、頂点へと進み続けること。もう1度、1つになって、頂点へ、と戦ってきました。

シーズンは2位に終わりチームもファンも悔しい思いをしました。それを胸の中にしまい、「思いは1つ」と団結して、「2018 パーソル クライマックス パ」の激闘を勝ち抜き、日本シリーズの熱戦も制しました。

今年初めて宙を舞った工藤公康監督。「選手たちが成長してくれた。頑張りに感謝をしたい」と何度も口にしてきました。

今年は平成最後の日本シリーズです。ホークスは平成で7回目となる日本一に立ち、ジャイアンツを上回り12球団最多となりました。平成最強はホークスを、ここに証明しました。

2018年11月3日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

2018年11月3日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

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