この日の宮崎は、午前中は澄んだ青空に恵まれ、好天の中で練習が行われましたが、午後になると時折雨が降る予想外の天候となりました。その中でもひたすらボールを追いかけ、バットを振り込んだ選手たち。それを見る野球の神様が微笑んだのか、上空には美しくて大きな虹が3度も架かりました。
前日から野手陣はA班とB班に分かれて、効率よく練習を行っています。A班野手は午前中、「走塁」メニューをしっかり行いました。ノーアウト一、三塁での重盗を想定。これは一般的に行う練習ですが、この日はさらに投手が一塁牽制の間に三塁ランナーが本塁を陥れる練習も繰り返しました。
藤本博史監督は「秋しかできないことを試す時期。レアなケースだけど、隙があれば1点を取る。野手コーチが考えてくれました」と話しました。フェニックス・リーグでも三塁走者だった佐藤直樹選手が、投手の二塁牽制の間に本塁を突くプレーがありました。「左投手の逆回りの牽制だった。佐藤直は間一髪アウトだったけど、セーフでもおかしくないほど際どかったからね」と藤本監督。
また、本多雄一一軍内野守備走塁コーチも「ホークスはいい打者が多くて、ホームランのイメージも強い。でも好投手相手の試合だと打てないこともある。その中でどのように1点をもぎ取るか。そういったところを提案させてもらいました。相手チームに、こういう作戦もあるんだと警戒させるのも大切ですし、策を閉じ込めて使わないままでも意味はないので」と話していました。ただ、牽制の間に本盗を狙うのはまさにレア中のレア。本多コーチも「現役時代も含めて、キャンプの練習でやったことはない」と振り返るほどでした。