【4月23日（火）　ホークス3－2ファイターズ　ヤフオクドーム】

「左腕の柱」に笑顔が戻った。待ちに待った今季初白星。大隣憲司投手が長いトンネルを脱出しました。

「本当は今季初戦の登板から勝たないといけない立場です。勝つことの難しさをまた感じたというか、ようやくスタートを切ることができました」

昨季は自己最多の12勝をマーク。その活躍が認められて侍ジャパンのメンバーにも選出され、WBCでは先発のマウンドも任されました。しかし、昨季のシーズン終盤を振り返れば、8月24日のマリーンズ戦を最後に勝ち星から遠ざかり9月以降は4連敗。年を跨いで9試合にわたり白星から見放される苦しい時間を過ごしました。

それでも、「自分のやっていることを信じて、やるべきことをやって前を向くだけ」と自分自身に言い聞かせ、「結果がどうあれ、自分やることは変わらない」と信念を貫き通しました。

「一昨年の秋から取り組んだメンタルトレーニングの成果もあると思います。以前ならば、何の気力も沸かなくなったかもしれません。だけど、今回は違いました」

精神面の強さはこの試合の中でも発揮。初回にいきなり2点を失う苦しい展開も、「しっかり切り替えて、自分らしい投球が出来ました」と見事立て直し、左膝に打球が直撃するアクシデントも「当たった瞬間は力が抜けた感じだった。ただ、当たり所がもう少しズレていればもっと大変なことになっていた」とまったく動揺することはありませんでした。

チームは勝率5割に復帰。「僕が勝っていればしっかり貯金が出来ていた。ここから先、しっかりと柱となれるよう頑張ります」と活躍を誓いました。

また、打のヒーローはラヘア選手。2点を追う1回裏に、鮮やかな逆転3ランを右中間スタンドに叩き込みました。「ストレートをしっかり叩けたので、打った瞬間に行ったと思った」という会心の一撃は今季の第6号本塁打。この一発で打点を19に伸ばして、両部門でリーグ二冠王となりました。しかし、ラヘア選手は「個人成績は関係ない。チームが勝つことが一番」と涼しい顔。5番打者としてホークス打線の中心にどっしり構えています。