2012/08/15 (水)
選手

小久保選手、引退表明会見要旨「気持ちが固まった」 王会長、秋山監督らからのメッセージも

8月14日(火)のマリーンズ戦(ヤフードーム)終了後に行われた小久保裕紀選手の現役引退表明会見の要旨です。

試合終了から約20分後、小久保選手はユニフォーム姿のまま、ヤフードーム内のプレスカンファレンスルームに現れました。席に着き、質疑応答の前に小久保選手からの話がありました。

「個人的にもかかわらず、これだけの方々に集まっていただきありがとうございます。また、このような場を設けていただいたソフトバンク球団にも心から感謝申し上げます。

午後、王(貞治)会長、秋山(幸二)監督、小林(至・海外担当兼中長期戦略担当)部長に『今シーズン限りで現役を引退します』とお話ししました。もちろんシーズン途中なので明日からもやることは全く変わりませんが、僕自身の気持ちが固まった時点でチームメイトやファンの皆さんにお伝えして、残りの試合をともに戦うという思いでやりたかったので、今日、このような形でお話しをさせていただきました。秋山監督には『優勝に向けたこの時期に個人的なことでご迷惑をかけてしまい申し訳ありません』と話をさせてもらいましたが、了承してもらえたのでこのような場を設けていただきました」

以下質疑応答

引退を決断したきっかけ

「何がきっかけというものでもないですね。徐々に固まってきた。当初は8月いっぱい勝負をかけて『来年もやろう』という気持ちになるのか、ならないのかと考えていたが、それよりも早く自分自身の気持ちが決まってしまった」

今シーズンは腰痛などもあり試合に出られない日も続いた。それが決断を早めた?

「いや、それはないですね。体は毎日元気です。それより、フリーバッティングでボールが飛ばなくなったとか、今シーズンも完全にホームランやなと思った打球がセンターフライになったり、そういうことが重なった。今、スタメンではないときは、代打の人の気持ちや難しさを身をもって経験出来、貴重な時間を過ごさせてもらっています。試合に出なくなったというより、自分の実力ですね。『ボールを遠くに飛ばす』ことでこの世界で生きてきたのが、なかなかできなくなった。その葛藤ですね」

簡単な決断ではなかったと思いますが

「30歳あたりからいろいろなアプローチして、プラスになることをしてきたおかげでこの年齢までやれた。正直、現役を終えることに対しての悔いはありません。ただ、この先、優勝できなかったという後悔はしたくないので、明日からもしっかりやりたい。このような場を設けたのは、自分の中で決まってることがあるにもかかわらず、チームメイトの話もせずに過ごすのが嫌だったからこのような形で発表させていただきました」

チームメイトにはどのような形で伝えましたか?

「(会見に来る前に)サラッと(笑)。ひとまずロッカーにいた選手には伝えました。反応? たぶんビックリしてたんじゃないかな。誰も何も反応がなかったので、ビックリしたのだと思います」

王会長からは何か言葉を?

「会長ご本人も、自分の引退は自分で決断されたとのこと。本人にしかわからないものがあると言われました。ただ、残りの試合あるので、そこに向けた話がほとんどでした」

秋山監督からは?

「悔いはないのか? 気持ちは変わらないのか?との言葉をいただきましたが、自分の中で完全に出来上がった気持ちだったのでその旨を伝えました。あと今後について、(起用法など)全然気にしないでくださいと僕から話しました。その上で、代打なりスタメンなりとにかく最後までしっかりやろうという話をしました」

残りのシーズンに向けて

「パ・リーグ3連覇、連続日本一の可能性は十分にある。そこに向けて、僕の出せる力を全部出せるような準備したい。体は幸い問題ないので、チームの力になれるよう頑張ります」

改めて、この時期に決断した理由は?

「気持ちが決まっていて、家族やお世話になった人に伝えるにしても、どこかが漏れてしまう。そうなるより、王会長、秋山監督、小林部長に話したのであれば、シーズン中に個人的なことで申し訳ないが、ここで一区切りつけたいと思った」

慰留もあったが?

「本来、完全に(スタンドまで)行っていたという当たりがかなりあった。昨年から統一球が導入されたが、芯で打てば変わらなかったのに」

悔いはないという言葉もありますが、目は真っ赤です。

「王会長と話していても涙が止まらなかった。だけど、悔いではない。何かわからない。よくわからないけど、ただ、今満足しきったら戦うプレーヤーとして失格。ファンの皆さんにはこのような形で発表してしまったので、ここから成績を上げて、どうせなら惜しまれて、ね」

そのファンの皆様へ

「今日で終わりではないので、最終戦でユニフォームを脱ぐときに感謝の気持ちを伝えたいと思います。残り43試合。僕も試合に出たり、ユニフォームを着てベンチに入ったりする。その姿を見ていただきたい。そして、おととし、我々は残り6試合からの逆転優勝を成し遂げました。諦めなかった。まさに今、その状況です。その経験が生きてくる。僕自身も最後は燃え尽きて、3連覇を成し遂げて終わりたい」

王貞治会長コメント

「19 年間、お疲れ様でした。たび重なる試練を乗り越え、大学卒業者として2千本安打を達成、素晴らしい野球人生を全うした君を誇らしく思います。特にこの6 年間はチームリーダーとして、チームをまとめ、昨年は8 年ぶりの日本一に大いなる貢献をしてくれました。ファンの皆さんも、君の頑張り、一挙手一投足に魅せられ、大きな声援を送り続けてくれました。これからは新しい目標に向かって、更なる飛躍を期待しています」

秋山幸二監督コメント

「今日、小久保が『今季限りでユニホームを脱ぎます』と話してきた。(引退については)これだけの選手だし、小久保本人が決めること。いつかはこういう日が来るのだろうが、シーズン途中だし本人も今季最後までやりますということだからね。優勝を目指すチームにとっては小久保の力を借りなければならないこともある。残り43 試合は優勝のためにともに頑張っていきたい。いい形で終わりたいからね。『お疲れさん』とは、まだ言わないよ」

本多雄一選手会長コメント

「試合後に話を聞き、本当にびっくりしました。小久保キャプテンのためにも優勝で終わりたいというのが正直な気持ち。嬉しい形で小久保さんを胴上げしたい。1人1人がいい意味で衝撃を受けたと思う。だからこそ僕らはBクラスに止まるわけにはいかない。小久保さんも何らかの意味があって、この時期に発表したのだと思う。それを感じて、理解して、これからの試合を戦っていきたい」

内川聖一選手コメント

「話を聞いたばかりで気持ちの整理がつかない。ただ、残念ではあります。子供の時から見ていたし、今同じチームでプレーしてることに幸せを感じています。最後はみんなで喜びあえるように、最高の形で終われるように頑張りたい」

2012年8月15日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)

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